WTO・他協定加盟状況

最終更新日:2023年09月01日

WTO加盟。
EU、EFTA諸国、英国、米国、トルコ、アラブ・マグレブ諸国(アガディール協定)とのFTA。
複数の国と貿易・関税協定。

WTO加盟

1995年1月1日加盟(GATT加盟は1987年6月17日)。

地域経済協定

モロッコ税関・間接税局(経済協定の検索ページ)"Accords et conventions外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
モロッコ産業・貿易省 "Accords commerciaux外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"の各協定を参照。

EUモロッコ連合協定(Accord d’Association Maroc – Union Européenne

世界のFTAデータベース」に記載あり。
1996年2月26日調印、2000年3月1日発効。工業製品、農産加工・水産品、紛争解決、サービス貿易、企業設立、政府調達、知的財産権や投資保護に関して、関税や障壁の段階的撤廃に合意。

工業製品について、EUは即時撤廃、モロッコは2012年までに段階的に関税撤廃。

農水産品(同協定第16条および第18条)については、工業製品とは別に交渉が進められ、農産品・農産加工品・水産品の自由化協定が2012年10月に発効。EUはモロッコからの輸入額の55%相当に対して関税を即時撤廃、トマト、ズッキーニ、キュウリ、ニンニク、ミカン、イチゴには関税割当制度が適用。モロッコは、EUからの輸入額の45%相当に対して関税を即時撤廃、10年間で70%を自由化予定。

紛争解決(同協定第86条)については、紛争解決メカニズムに関する議定書に2010年12月に調印、2012年11月に発効。

サービス貿易、企業設立、政府調達、知的財産権や投資保護については、EUがアガディール協定締結の4カ国(モロッコ、エジプト、チュニジア、ヨルダン。後述参照)それぞれとの間で交渉中の「高度かつ包括的な自由貿易地域(Deep and Comprehensive Free Trade Areas:DCFTA)」内で検討中。ただし、EUとモロッコとのDCFTA交渉は、モロッコ側からの要請により2014年4月の最後の会合以来停止。

欧州委員会ウェブサイト:

欧州連合ウェブサイト:

なお、原産地規則について、「汎欧州地中海累積制度」がEU27カ国、EFTA4カ国、モロッコを含む地中海沿岸諸国10カ国の計41カ国を対象に設けられ、産品の加工が域内の複数国にまたがった場合に、多国間累積が適用されている。モロッコは同規則改正に2012年4月署名。

英国モロッコ連合協定(Accord d’Association Maroc – Royaume-Uni

世界のFTAデータベース」に記載あり。
モロッコと英国は、2019年10月26日、英国のEUからの離脱に備えて二国間の包括的な連合協定に署名。同協定は、英国のEU離脱に合わせて2021年1月1日に発効。モロッコとEUの連合協定の枠内で、両国がお互いに与えていた恩典のすべてを二国間の協定に移行するのが目的で、これによって、英国のEU離脱後も両国間の関係はこれまで通り維持される。

EFTA・モロッコ自由貿易協定(Accord de libre-échange Maroc – AELE)

世界のFTAデータベース」に記載あり。
1997年6月19日調印、1999年12月1日発効(EFTA4カ国は、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス)。工業製品、農産・同加工品、水産品、政府調達、知的財産権、競争、政府援助、紛争解決に関して、関税や障壁の段階的撤廃に合意。

EFTAウェブサイト:Morocco FTA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(対象品目・税率に関わるリストが掲載)

工業製品については、EFTAは発効後即時関税撤廃。モロッコは、2011年12月までに段階的に撤廃。
水産品については、EFTAが即時撤廃、モロッコは、一部を除き段階的に撤廃予定。
農産品については、モロッコは、スイス(リヒテンシュタインにも適用)、アイスランド、ノルウェーと二国間の農業に関する議定書を締結、二国間で引き下げ。
農産加工品については、内外価格差調整を基本方針として、各国が対象品目・税率・割当量等を議定書Aで設定(完全撤廃もあり)。

米国とのFTA

世界のFTAデータベース」に記載あり。
2004年6月15日調印、2006年1月1日発効。全分野(農水産品、工業製品、サービス、TRIPS、社会・環境問題、知的財産権)における包括的なFTA。農産・同加工品・水産品・工業製品に関しては、品目により、輸入税に優遇税率・免税が適用される。

トルコとのFTA

世界のFTAデータベース」に記載あり。
2004年4月7日調印、2006年1月1日発効。発効から10年で段階的に工業製品の自由貿易を拡大することを目的とする。一部の工業製品と農産品に関して関税および輸入税に優遇税率・免税が適用される。水産品は除外される。
両国政府は2020年1月15日、FTAによりモロッコ側の貿易赤字が拡大したことに伴い、これを見直すことで合意。さらに8月には、トルコからの輸出品(繊維・衣料、皮革、金属、電力、木材、自動車)1,200品目のネガティブリストを作成し、発効後5年間は、最高で通常の関税の90%を課すという内容の修正案で合意した。修正案は2021年5月13日に発効。1回に限って、さらに5年の更新が可能。

大アラブ自由貿易地域協定

世界のFTAデータベース」に記載あり。
アラブ経済連合内での貿易の簡素化と発展を目的に、1998年1月1日に発効。
加盟国は、アルジェリア、サウジアラビア、バーレーン、エジプト、アラブ首長国連邦、イラク、ヨルダン、クウェート、レバノン、リビア、モロッコ、パレスチナ、カタール、スーダン、オマーン、シリア、チュニジア、イエメン。
保健衛生、公序良俗、治安、環境保全を理由に、輸出入の禁止品目リスト、および2005年12月30日付通達n°4977/222のⅡ 2.3に言及の農産品を除き、協定提携国産の製品の輸入税を撤廃。

アラブ首長国連邦とのFTA

世界のFTAデータベース」に記載あり。
2001年6月調印、2003年7月発効。保健衛生、公序良俗、治安を理由に、輸出入の禁止品目リスト、両国の自由経済区域で製造された製品、および2005年12月30日付通達n°4977/222のⅡ 2.3に言及の農産品を除き、協定提携国産の工業製品、農産品・加工食品の輸入税を撤廃。

アガディール協定

世界のFTAデータベース」に記載あり。
EU・地中海諸国間の自由貿易圏創設を目指した欧州・地中海諸国パートナーシップ合意(バルセロナ・プロセス、1995年)の一環として、モロッコ、チュニジア、エジプト、ヨルダンの4カ国が、域内貿易の活性化と4カ国間の累積原産地規則適用によるEU市場への輸出促進を目的として、2004年2月に署名(4カ国は、それぞれ二国間FTAを発効)した。
これにより、EU・地中海諸国域内の保健衛生、公序良俗、治安、環境保全を理由に、輸出入の禁止品目リストおよび、2005年12月30日付通達n°4977/222のⅡ 2.3に言及の農産品を除く工業製品・農産物にかかる関税が、完全に撤廃された。かつ、4カ国からのEU向け輸出では、多国間累積(diagonal cumulation)原産地規則が適用される。すなわち、4カ国のうちの2カ国以上が、それぞれEUとの二国間連合協定を締結し、かつそれらの協定の原産地規則が同じであった場合、最終製品の付加価値額が累積加算される。なお、無税となる基準の付加価値率は、品目によって異なる。
サービス貿易、企業設立、政府調達、知的財産権や投資保護については、EUと同協定締結の4カ国それぞれとの間で交渉中の「高度かつ包括的な自由貿易地域(Deep and Comprehensive Free Trade Areas:DCFTA)」内で検討中(前述のEUモロッコ連合協定参照)。

アフリカ大陸自由貿易圏協定(AfCFTA: The African Continental Free Trade Agreement

世界のFTAデータベース」に記載あり。
2018年3月にルワンダ・キガリで開催されたアフリカ連合(AU)首脳会議において、モロッコを含むアフリカ44カ国がアフリカ自由貿易圏(AfCFTA)の設立に関する合意"Agreement Establishing the African Continental Free Trade Area外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"に調印した。加盟国間の関税を段階的に撤廃し、域内貿易の促進を通じて経済を資源依存型から多様化・発展させることを目指す。発効の条件だった調印国22カ国の批准が完了し、2019年5月30日に発効。その後批准国は2020年8月時点で30カ国・地域まで拡大。2020年7月1日より予定されていた段階的な実施が、新型コロナウイルスによる渡航制限などを受けて延期されていたが、2021年1月1日に運用開始。2023年2月時点で調印国は54カ国・地域、批准国は44カ国・地域。

その他の貿易・関税協定

  • アルジェリア:1989年3月14日に調印され、即時発効した貿易・関税協定(Convention commerciale et tarifaire)。相手国を産地とし、同国から輸入される製品への輸入税を撤廃。1年を適用期間とするが、事実上自動更新されている。ただし、アルジェリア政府は2021年8月24日に、同国に対する「敵対的な行動」を理由に、モロッコとの断交を発表。
  • サウジアラビア:1966年9月6日に調印され、1968年2月27日に発効した包括的協定(Convention générale)。相手国を産地とし、協定でリストアップされた品目(1987年に追加・更新)で同国から輸入されるものについては、輸入税を撤廃。適用期間は2年であるが、事実上自動更新されている。
  • リビア:1990年6月29日に調印され、即時発効した貿易・関税協定(Convention / Accord commercial(e) et tarifaire)。相手国を産地とし、同国から輸入される製品の輸入税を撤廃。無期限。
  • モーリタニア:1986年8月4日に調印された貿易・関税協定(Convention / Accord commercial(e) et tarifaire)。相手国を産地とし、同国から輸入される、協定内のリストA(モロッコ産製品)およびリストB(モーリタニア産製品)にある品目に関し、輸入税を撤廃。1年を適用期間とするが、事実上自動更新されている。
  • ギニア:1997年4月12日に調印され、2000年9月6日に発効した貿易・関税協定(Convention commerciale et tarifaire)。相手国を産地とし、同国から輸入される、協定内のリスト1(モロッコ産製品)およびリスト2(ギニア産製品)にある品目の輸入税を撤廃。適用期間は3年であるが、事実上自動更新されている。
  • セネガル:1963年2月13日に調印された貿易協定(Accord commercial)。相手国を原産地とし、同国から輸入される、協定内のリストM(モロッコ産製品)およびリストS(セネガル産製品)にある製品の輸入税を撤廃。ただし、現在は、セネガルから輸入される製品に対してのみ優遇税率が適用されている。適用期間は1年であるが、事実上自動更新されている。
  • イラク:1976年4月24日に調印された貿易協定(Convention / Accord commercial(e)、数度にわたり追加・更新、最新の追加・更新は1980年)。相手国を産地とし、同国から輸入される製品の輸入税を撤廃。1年を適用期間とするが、事実上自動更新されている。
自由貿易協定、関税同盟、特恵貿易協定、その他の貿易協定

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ジェトロ:世界のFTAデータベース