日本産ホタテのタイ向け輸出額、2023年11月~2024年3月は前年同期比2.3倍に

(タイ、日本)

バンコク発

2024年05月07日

ジェトロは2024年5月4日、日本産ホタテの2023年11月~2024年3月のタイ向け輸出が、輸出量で約14倍、輸出額で約2.3倍に増加(いずれも前年同期比)したと発表した。

2023年度は「HOTATE Festival」を開催

日本産ホタテをめぐっては、中国など特定国による水産物などの輸入停止措置により大きな影響が生じており、輸出先の多様化が求められている。ジェトロは2023年度、タイ向け輸出拡大に向け、タイ国内の輸入業者など連携し、日本産ホタテのPRキャンペーン「HOTATE Festival」を開催。バンコク都以外の地方にも展開している飲食店や小売店、タイ料理・イタリアン・中華料理などの日本食以外の飲食店などの協力を得てPRキャンペーンを展開したほか、各種イベントやテレビ番組放送などを実施した。

この結果、「HOTATE Festival」以外の要因も考えられるものの、キャンペーン期間中(2023年11月~2024年3月)の日本からタイ向けのホタテ輸出(財務省貿易統計)は、輸出量で約14倍、輸出額で約2.3倍に増加(前年同期比)した。また、タイ商務省の統計からタイのホタテ輸入額の推移を国別にみると、日本はここ数年、1~2位で推移していたが、「HOTATE Festival」実施期間中は2位以下を大きく引き離しての1位となった。

有名シェフを招いてメニュー提案会を開催

2024年5月4日には、日本の農林水産省および在タイ日本大使館の協力を得て、ホタテメニュー提案会「JAPAN PREMIUM HOTATE~From HOKKAIDO Ocean to your Table~」を開催した。日本産ホタテの活用に関心のある輸入業者、飲食店、インフルエンサーなどが100人以上参加し、日本からも坂本哲志農林水産相が参加した。

メニュー提案会では、人気料理コンテスト番組「IRON CHEF Thailand」(料理の鉄人)」に出演する有名シェフが登場し、タイ料理、イタリア料理、日本料理のオリジナルメニューを披露するとともに、それぞれの料理に合うスパークリング日本酒、日本ワイン、日本酒とペアリングした楽しみ方を提案した。

また、メニュー提案会終了後には、タイ輸出支援プラットフォーム総会を開催。坂本大臣や水産物を扱う事業者らが参加のもと、さらなるホタテなどの輸出拡大に向けた「日本産水産物の販売網拡大プログラム」について議論・決定した。同プログラムにおいては、農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略(2023年12月25日関係閣僚会議決定)に定められた、2025年までにホタテ貝のタイ向け輸出額24億円(2023年実績の約2倍)という目標を前倒しして2024年までに達成すべく、取り組みを進めていくこととしている。

詳細は添付資料を参照のこと。

(谷口裕基)

(タイ、日本)

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