インドネシア、英国にCPTPP加入希望を表明、OECD加盟支援も要請

(インドネシア、英国)

ジャカルタ発

2024年05月10日

インドネシア経済担当調整大臣府は5月1日、アイルランガ・ハルタルト経済担当調整相が英国外務・英連邦・開発省(インド太平洋担当)のアン=マリー・トレビリアン閣外相と会談し、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)への加入希望を表明したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

アイルランガ調整相は会談で「G20やAPEC、インド大洋平経済枠組み(IPEF)などの枠組みへのインドネシアの積極的な参加により、互恵的な協力の機会がさらに開かれ、投資が促進される」とした。また、「CPTPPを構成する30章から成る条文に関する初期段階のレビューの結果では、70%の条文が国内規則と整合性がある」と述べ、加入に向けたハードルは高くないとした。

さらに、アイルランガ調整相は2024年2月にインドネシアが協議を開始したOECD加盟への支持も要請し、トレビリアン閣外相は「CPTPPへの加入やOECDへの加盟プロセスについて、英国の経験を共有し支援する用意がある」と応じた。

2023年3月に実質妥結した英国のCPTPP加入は、同年7月に加入議定書への署名が完了し、現在各国が発効に向けた国内手続きを進めている(2023年7月18日記事参照、注1)。CPTPPについては、中国、台湾、エクアドル、コスタリカ、ウルグアイ、ウクライナから加入要請が提出されている。

ジェトロの「世界のFTAデータベース」によると、CPTPP11カ国と英国のうち、インドネシアは既に8カ国とFTAを締結済みで、非締結国はカナダ、メキシコ、ペルー、英国だ(添付資料表1参照)。グローバル・トレード・アトラスによると、2023年のインドネシアとCPTPP11カ国、英国との輸出額と輸入額を合計した貿易総額は18兆811億円(注2)で、インドネシアの貿易総額の26.8%を占める。そのうちFTA締結国との貿易額は16兆8,009億円(92.9%)、FTA非締結国との貿易額は1兆2,802億円(7.1%)だった(添付資料表2参照)。

(注1)日本は2023年12月、英国の加入議定書を寄託者のニュージーランドに通報し、国内手続きを完了している。

(注2)IMFの2023年平均レート、1ドル=140.49円で算出。

(大滝泰史)

(インドネシア、英国)

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