遼寧省、第1四半期のGRP成長率は全国平均を上回る

(中国)

大連発

2024年05月09日

中国・遼寧省統計局の4月19日の発表によると、2024年第1四半期(1~3月)の同省の域内総生産(GRP)は6,961億2,000万元(約14兆6,185億2,000万円、1元=約21円)、実質GRP成長率は前年同期比5.4%となった(添付資料表参照)。成長率では中国全体平均(5.3%、2024年4月17日記事参照)を0.1ポイント上回った。同局は「遼寧省の経済は引き続き安定的に回復へ向っている」と評価している。

主要経済指標をみると、一定規模以上の工業企業(注1)による工業生産増加額は前年同期比5.3%増だった。産業別にみると、「電力・熱エネルギー・ガスおよび水の生産・供給業」「採掘業」「製造業」がそれぞれ3.0%増、4.4%増、5.7%増のプラス成長だった。製造業のうち、「コンピュータ・通信・その他の電子設備製造業」(38.8%増)、「医薬製造業」(24.4%増)、「電気機械・器材製造業」(23.7%増)、「食品製造業」(20.4%増)は2桁増となった。新エネルギー自動車の生産台数は46.5%増と大幅な増加を記録した。

固定資産投資は、不動産開発投資が依然として減少している(前年同期比21.4%減、2023年通年では前年比26.1%減)ものの、ハイテク産業の投資が21.6%増となったことなどにより、全体としては9.3%増だった。社会消費品小売総額(消費)は6.1%増で、一定額以上の企業(注2)の小売りのうち、「通信機器類」(38.8%増)と「新エネルギー車」(72.7%増)の伸びが目立った。

第1四半期の貿易総額は前年同期比4.1%減の1,807億3,000万元、輸出額は1.3%増、輸入は8.5%減だった。輸出商品のうち、コンテナ、自動車、船舶、電子機器・集積回路はそれぞれ88.3%増、48.3%増、45%増、30.4%増、30.1%増で、輸出全体の増加に寄与した。国・地域別では、ASEAN、韓国との貿易額がそれぞれ18%増、15.5%増の2桁増だった。対内直接投資額は10億ドルだったが、省内2大都市の瀋陽市と大連市では大幅な減少となっている。

(注1)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。

(注2)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の卸売企業、その年の主な業務による売上高が500万元以上の小売企業、その年の主な業務による売上高が200万元以上の飲食および宿泊企業。

(李穎)

(中国)

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