日・サウジ・ビジョン2030ビジネスフォーラム開催、エンタメ分野などで関係強化へ

(サウジアラビア、日本)

調査部中東アフリカ課

2024年05月23日

ジェトロは5月21日、日本の経済産業省や中東協力センターと、サウジアラビア投資省や在日サウジアラビア大使館と共催で、「日・サウジ・ビジョン2030ビジネスフォーラム」を東京で開催した。約330人(日本政府・企業関係者120人、サウジアラビア政府・企業関係者約210人)が参加した。

両国間の戦略的パートナーシップ「日・サウジ・ビジョン2030」の下、一層の関係深化を目的に開催された同フォーラムでは、冒頭にサウジアラビア投資省と中東協力センターがプレゼンテーションを行い、それぞれサウジアラビアの投資インセンティブや、サウジアラビアへの投資プロジェクトに関する取り組みなどを紹介した。

日本・サウジアラビアの政府・企業関係者らによるパネルディスカッションも実施された。「製造業」「サーキュラーエコノミー」「ヘルスケア」「エンターテインメント・ゲーム」の4分野の両国の関係強化をテーマに、各企業の取り組みや両国の協業事例、日本企業のサウジアラビアへの事業展開可能性などについて意見交換が行われた。「エンターテインメント・ゲーム」分野のパネルディスカッションでは、登壇したサウジeスポーツ連盟が2024年夏にサウジアラビアの首都リヤドで開催予定のeスポーツ・ワールドカップ(2023年10月25日記事参照)についても紹介した。

また、日本企業・団体とサウジアラビア政府・企業・団体間で30件超の協力覚書(MoU)締結が発表された。

閉会あいさつは、ハーリド・ビン・アブドゥルアジーズ・アール・ファーレフ投資相と齋藤健経済産業相が務めた。ファーレフ投資相は、日本からサウジアラビアへの投資額が世界第3位であることなどに触れて、多岐にわたる分野での両国の密接な関係を強調し、今後も戦略的な関係性を育てていく必要があると述べた。併せて、2025年大阪・関西万博へのサウジアラビア参加もあらためて表明した(注)。齋藤経済産業相はサウジアラビアと日本の関係について、産油国と消費国の関係にとどまらず、「日・サウジ・ビジョン2030」の下で進行しているプロジェクトを通じて多様化し、深化していると述べた。さらに、2030年にリヤドで開催予定の万博について、2025年大阪・関西万博を成功させ、そのバトンをしっかりとつないでいくとした。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

写真 閉会あいさつを行うファーレフ投資相(ジェトロ撮影)

閉会あいさつを行うファーレフ投資相(ジェトロ撮影)

写真 閉会あいさつを行う齋藤経済産業相(ジェトロ撮影)

閉会あいさつを行う齋藤経済産業相(ジェトロ撮影)

(注)サウジアラビアは2022年10月に、2025年大阪・関西万博への公式参加契約を締結している(2022年11月1日記事参照)。

(久保田夏帆)

(サウジアラビア、日本)

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