バングラデシュ政府、東京の衣料品展示会でセミナー開催

(バングラデシュ、日本)

調査部アジア大洋州課

2024年04月19日

バングラデシュ商務省輸出振興局(EPB)と在日バングラデシュ大使館は417日、東京で開催された衣料品展示会「ファッションワールド(FaW)東京」に合わせ、同国のテキスタイル、レザー、ジュート製品に関するセミナーを、ジェトロなどの後援の下で開催した。19日まで3日間開催されたFaWでは、EPBが設置したバングラデシュパビリオンに13社が出展し、日本企業と商談を行った。

セミナーでは、繊維製品などの試験・検査業務を手掛ける日本繊維製品品質技術センター海外事業所長の舟木圭氏が2023年にダッカに新設した合弁会社の事業を紹介したほか、大使館がバングラデシュパビリオン出展企業について概要説明などを行った。主催者側によると、セミナーには約50人が参加した。

写真 セミナーの様子(在日バングラデシュ大使館提供)

セミナーの様子(在日バングラデシュ大使館提供)

パビリオン出展者で、ニット製品など手掛けるDKグループの担当者は、欧米向け中心の事業から、日本向けを拡大させていると説明。現在は全体の3割が日本向けだという。日本からの受注は価格が安いという課題はあるものの、安定して取引ができると述べ、今後も日本事業に注力していく意向を示した。

写真 13社が出展したバングラデシュパビリオン(ジェトロ撮影)

13社が出展したバングラデシュパビリオン(ジェトロ撮影)

パビリオン以外にも、同展示会にはバングラデシュから6社の出展があった。そのうちの1社、シャツメーカーグループ(SMG)はワイシャツなどを日本向けに長年製造している。バイヤーで同社に技術指導も行う日本企業の担当者は、バングラデシュが国連の定める後発開発途上国(LDC)から2026年に卒業し、特別特恵関税措置を受けられなくなることが懸念材料と指摘。交渉中の日本とバングラデシュの経済連携協定(EPA、2024年3月13日記事参照)に期待していると話した。

日本繊維輸入組合によると、2023年のバングラデシュから日本への繊維製品輸入額は前年比6.8%減の13億1,000万ドルで、国別3位を維持している。

(今野至)

(バングラデシュ、日本)

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