再エネ開発庁がGIFTシティーに事務所、グリーン水素事業などを推進

(インド)

アーメダバード発

2024年04月30日

インド再生エネルギー開発庁(IREDA、注)は4月17日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開催された「世界未来エネルギー・サミット2024」で、グジャラート(GJ)州ガンディナガルの国際金融テック(GIFT)シティーに外貨建て債券オプションを専門に取り扱う事務所を設置したことを発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。GIFTシティーでは、オフショアからの外貨建て融資に課される利息への源泉税免除など、税制面でのインセンティブが設けられている。これにより、インド国内のグリーン水素や再生可能エネルギーに関するプロジェクトの資金調達コスト削減が期待される。

インド政府は、2030年までにグリーン水素の年産能力を500万トンに引き上げることを目標に掲げる。これが実現し、500万トンのグリーン水素が全て活用されれば、年間約5,000万トンの二酸化炭素(CO2)排出削減が可能となる見込みだ。新・再生可能エネルギー省は2024年1月16日、グリーン水素・グリーンアンモニア製造のための新たな奨励制度を発表していた(2024年2月9日付地域・分析レポート参照)。

IREDAのプラディープ・クマール・ダス会長は世界未来エネルギー・サミットにおいて、「インドが2030年までにこの野心的な目標を実現するためには、エネルギー貯蔵技術の向上が重要だ」と述べた。さらに同会長は、エネルギー貯蔵技術に関する研究開発の促進やサプライチェーン網を強化する政策支援、競争力のある金融ソリューションの必要性を強調している。

(注)IREDAは、1956年会社法第4条Aに基づく「公的金融機関」として認定、インド準備銀行(RBI)に非銀行金融会社(NBFC)として登録されている。新・再生可能エネルギー省(MNRE)の管理下で、新エネルギーや再生可能エネルギー、エネルギー効率・節約に関するプロジェクトの開発、推進、資金援助に取り組む。

(飯田覚)

(インド)

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