栗田工業子会社のペンタゴン・テクノロジーズ、米アリゾナ州に半導体製造装置洗浄施設を建設
(米国)
ロサンゼルス発
2024年03月08日
アリゾナ商業公社(Arizona Commerce Authority)は2月29日、水処理装置、水処理薬品などを取り扱う栗田工業の完全子会社であるペンタゴン・テクノロジーズ・グループ(以下ペンタゴン)が、米国アリゾナ州メサ市に半導体製造装置等の洗浄施設を建設予定であるとのリリースを公表した。当施設に対する設備投資額は5,000万ドル以上で、6万5,500平方フィートの面積は同社の精密洗浄施設としては最大となる。2024年の第4四半期に稼働予定としており、今後数年間で最大300人の新規雇用が創出される見込み。
米国カリフォルニア州ヘイワードに本社を置くペンタゴンは、半導体メーカーや半導体製造装置メーカーを主要顧客としており、半導体精密洗浄市場におけるリーティングプロバイダーだ。栗田工業は2022年6月に同社を完全子会社化している。今回の投資について、アリゾナ商業公社によると、ペンタゴンは「アリゾナ州の新しい施設は、栗田工業にとって精密洗浄事業における近年で最大の戦略的投資。この施設を通じて、半導体業界の顧客や地域社会に大きく貢献できることを大変光栄に思う」とコメントしている。
また、アリゾナ商業公社のサンドラ・ワトソン最高経営責任者(CEO)は「アリゾナ州の半導体サプライチェーンは全米で最も急速に成長しているが、ペンタゴンの新しい施設は、アリゾナ州の既に強固な半導体サプライチェーンをさらに強化するもの」と述べている。さらに、メサ市のジョン・ジェイルズ市長は「メサ市はハイテク製造業と半導体サプライチェーンにおいて重要な役割を担っている。この投資は、技術革新と経済成長の拠点としてのメサの地位をさらに強固なものにする」と述べている。
アリゾナ州では、インテルや台湾積体電路製造(TSMC)といった世界的な半導体大手が工場建設を進めるなど、米国内外からの投資が活発に行われており、日系の半導体関連企業の進出も続いている。2022年10月には、ジェトロがアリゾナ州にビジネスミッションを派遣(2022年11月4日記事参照)し、栗田工業は当ミッションに参加していた。また、2024年2月22、23日には在ロサンゼルス日本総領事館主催でアリゾナ州の視察プログラムが実施され(2024年3月1日記事参照)、多くの日系企業が参加するなど、引き続きアリゾナ州の動向が注目される。
(堀永卓弘)
(米国)
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