ジェトロ、中国最大級の化粧品展CIBE広州2024に出展

(中国)

海外展開支援部販路開拓課

2024年03月29日

第63回中国(広州)国際美博会(CIBE広州)が3月10~12日、広東省広州市の広州交易会展館で開催された。主催者によると、同展示会には3,800社の企業、1万以上のブランドが出展し、3日間の会期中に延べ52万人以上のバイヤーや一般消費者が来場した(うち、海外バイヤーは48カ国・地域から4,737人)。会場内では、基礎化粧品のほか、化粧品容器のOEMからサロン向け大型美容機器まで幅広い商品の展示が行われた。

ジェトロは2022年度に引き続き、化粧品やスキンケア用品、サプリメント、美容機器、美容関連の衣料品などを手掛ける日本企業の中国での販路拡大を目的に、中国ハイブリッド型キャラバン事業の一環として、同展示会にジャパンブースを設置した。同ブースにはリアル出展17社、オンライン出展8社の企業が参加し、来場したバイヤーと商談を行った。

出展した企業からは、「3日間で100件以上もの商談ができ、これからのつながりに期待がもてる」「多くの販売代理店、エンドユーザーに自社製品をPRできた。その中には、台湾など遠くからいらっしゃったバイヤーもいた」といったポジティブなコメントがあったほか、「代理店を探しに来たが、中国特有の個人バイヤーが多かった」「広州はエステサロン経営者などが多く、上海のような大都市のバイヤーとの違いが鮮明になった」といった反応もあり、今後の事業戦略のヒントを得られるきっかけにもなったようだ。

一方で、中国における化粧品への規制は厳しさが増している。中国国家薬品監督管理局(NMPA)が2023年3月27日に発表した、「化粧品原料の安全情報管理措置のさらなる最適化に関する公告」(NMPA公告2023年第34号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにより、2024年1月1日以降、水以外の全原料に関する安全性情報の提出が求められることとなった。また、同局が2021年4月8日に発表した「化粧品の安全性評価に関する技術指針(2021年度版)」(NMPA公告2021年第51号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2024年5月1日以降、これまで簡易版での提出が認められていた化粧品安全性評価に関して、完全版の提出が求められることとなった。化粧品以外にも、RF波(ラジオ波)を用いた美顔器も2024年4月1日から第3種の医療機器(注1)として扱われ、規制が厳しくなる。この状況に追い打ちをかけるように、中国国内では中国国産ブランド化粧品の消費が増え、所定化粧品企業(注2)の2023年1~10月の国内小売額は前年同期比で6.2%増加した(2024年2月8日付地域・分析レポート参照)。

日本企業が今後、中国の化粧品市場に参入するには規制への対応とともに、中国国産ブランドとの競争も必要になってくる。

写真 ジャパンブースでの商談の様子(ジェトロ撮影)

ジャパンブースでの商談の様子(ジェトロ撮影)

写真 CIBE広州2024会場内の様子(ジェトロ撮影)

CIBE広州2024会場内の様子(ジェトロ撮影)

(注1)中国で⽣産、販売(取り扱い)および使⽤される医療機器は、「医療機器監督管理条例」により、その安全性や有効性に対する管理の程度により3種類に分類される。第3種医療機器は、「高リスク、その安全性、有効性を保証するために特別な措置を通じて厳格な管理が必要とされる医療機器」と定義され、「医療機器登録証」を取得しなければ、生産、販売および使用はできない(医療機器の現地輸入規制および留意点:中国向け輸出参照)。

(注2)年間売上高が500万元(約1億500万円、1元=約21円)を超える企業。

(林真彦、大東千潤)

(中国)

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