2023年の乗用車新車登録台数、再び中古車登録数を上回る

(ハンガリー)

ブダペスト発

2024年02月06日

ハンガリーの民間調査会社データハウスによると、同国の2023年の乗用車の中古車登録台数は10万5,662台で、2022年(2023年10月11日付地域・分析レポート参照)の12万6,094台から16.2%減少した(添付資料図参照)。一方、乗用車新車登録台数は10万7,720台で、2022年の11万1,540台から3.4%の減少にとどまった(2024年1月16日記事参照)。新車登録台数が中古車登録台数を上回ったのは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で乗用車市場が縮小し始めた2020年以降で初めて。

新車の新規登録台数の減少幅が縮小したことで、新車が中古車を上回ったという2023年のトレンドの変化について、中古車オンラインポータル「ヨーアウト―ク」(joautok.hu、1月4日)のハラース・ベルタラン最高経営責任者(CEO)は「さまざまな要因が重なった結果だと考えている。経済的に困難な状況が西欧の乗用車市場での中古車への関心を高め、中古車の価格を押し上げた」とコメントした。

中古乗用車の新規登録台数をブランド別にみると、2023年もフォルクスワーゲン(VW、1万3,703台、前年比9.1%減)が首位を堅持した。2022年は3位だったフォード(9,496台、12.6%減)はオペル(9,283台、25.8%減)を抜いて2位に浮上した。

新車では日系メーカーが存在感

乗用車の新車登録台数をブランド別にみると(添付資料表参照)、トヨタが首位で1万4,223台(前年比7.2%増)、7年間連続で首位だったスズキが2位に後退して1万2,167台(12.2%減)と、日系メーカー2社が牽引したが、2022年は6位だったシュコダが1万916台(57.8%増)と猛追し、3位になった。2022年9月からハンガリーで販売を開始した中国系英国ブランドのMGがコストパフォーマンスの高さを生かし、1,528台(5.2倍)と大きく躍進した。

新車登録台数をモデル別にみると、スズキ「S-Cross」が5,936台で、依然として首位を守り、2位はシュコダ「オクタビア」の5,608台、3位はスズキ「ビターラ」の4,979台だった。トヨタの人気の2モデルでは、「カローラ」が4位の3,238台、「ヤリス クロス」が7位の2,139台だった。トップ10にはトヨタの「C-HR」と「ヤリス」もランクインし、上位10モデルのうち4モデルがトヨタ車だったことからも、その人気ぶりがうかがえる。

ハンガリーでトヨタとレクサスの広報関連の責任者のバルガ・ジョンボル氏は、トヨタブランドの成功はディーラーの質の高い仕事と、トヨタのマルチパスウエー戦略、すなわち環境性能に優れた車種(注)の豊富さによるところが大きいとした(トヨタ・ハンガリー2月1日付プレスリリース)。トヨタは2024年に新しい電気自動車(EV)モデルを含む14の新型車、またはリニューアルモデルをハンガリーで発売する予定だという。さらに、モビリティーサービス「KINTO(キント)」を開始し、ハンガリーではこれまで導入していなかった長期リースを提供する予定。トヨタはEV購入を推進するプログラムの有力なプレーヤーになることを目指しており、ゼロエミッションの水素モビリティーに関する計画にも本腰を入れている。

(注)ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、バッテリー式電気自動車(BEV)、燃料電池車(FCEV)。

(バラジ・ラウラ)

(ハンガリー)

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