ジェトロ、浜松で南インドのオープンイノベーションセミナー開催
(浜松、インド)
浜松発
2024年02月28日
ジェトロは2月14日、インド南部に特化したオープンイノベーションセミナーを静岡県浜松市で開催した。浜松市に本社を置くスズキがインドへの投資を拡大する方針を打ち出したことで(2024年1月16日記事参照)、同地を中心とする企業にとり、インド戦略はますます重要性を帯びている。そのため本セミナーでは、インド企業との連携・協業や人材獲得を含め、中長期的にインドで事業展開を行うための検討材料について情報発信した。
ジェトロ・チェンナイ事務所の山下純輝所員から、製造業の集積地であるタミル・ナドゥ州を中心にインド南部のスタートアップエコシステムを含む現地概況を紹介したのち、インド工科大学(IIT)マドラス校のインキュベーション施設IITM・リサーチパークのアショク・ジュンジュンワラ教授が登壇した。インドでイノベーションが生まれる背景として、若年層の比率が高い人口構成や、教育を通じて創造的な文化が醸成されていることがあると解説。また、スタートアップ企業の育成・成長にはインキュベーターが欠かせないことが強調された。
次いで、現地有名私立大学であるSRM大学を運営するSRMグループ(以下、SRM)のサンカール・カルナニディ氏および同大学のマミメガライ・ビベカンダン氏が登壇。豊富な理工系人材を輩出する同大学が、日本企業への就職を見据えた日本語教育や日本企業への渡航研修プログラムを実施していることを説明し、インド人材獲得のための具体的な相談先として存在感を示した。
最後に、チェンナイに本社を置くブレークス・インディアのビディヤプラカシュ・R氏が登壇した。同社は、自動車など輸送機器のブレーキシステムや鉄鋳物の大手サプライヤーで、先日、浜松市にも拠点を構えたばかりだ。ジェトロの対日投資支援制度を利用して拠点を設立した過程や、首都圏と関西の中間に位置する浜松の地の利を生かし、日本や東南アジアでのマーケティングおよび日本企業との連携を模索していることを説明した。
セミナー参加者からは、南インドに関する希少な情報や、SRM大学の教育プログラムを受けた人材への関心の高さが示された。また、インド戦略を考える上で、地域、州ごとに検討する必要性を認識したというコメントもあった。
(田辺知樹)
(浜松、インド)
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