2023年の日本のアフリカへの輸出はリベリア向け船舶、輸入は南アからの白金などが最多
(アフリカ、日本、南アフリカ共和国、リベリア、ケニア、アルジェリア、マダガスカル、ナイジェリア、タンザニア、エジプト、モロッコ)
調査部中東アフリカ課
2024年02月01日
日本の財務省が1月30日に発表した2023年の貿易統計の確報(注)によると、日本の輸出額は前年比2.8%増の100兆8,817億円、輸入額は7.0%減の110兆1,711億円だった。日本のアフリカへの2023年の輸出は前年比10.0%増の1兆3,991億円で、1985年以降で円貨ベースでは最多となった。輸入は前年比23.4%減の1兆5,173億円だった。
国別の輸出額では、リベリアがアフリカ全体のシェア28.1%、南アフリカ共和国がシェア25.2%、ケニアがシェア9.5%の順となった。モーリシャス、コンゴ民主共和国、タンザニアが前年から高い伸びを示したが、エジプトは減少した。日本からアフリカ各国向けの輸出額上位10カ国と前年比の増減率は次のとおり。
- リベリア:3,932億円(12.8%増)
- 南ア:3,525億円(14.1%増)
- ケニア:1,330億円(4.9%増)
- エジプト:955億円(5.8%減)
- タンザニア:782億円(29.1%増)
- ナイジェリア:418億円(28.9%増)
- モロッコ:379億円(22.1%増)
- ウガンダ:277億円(0.4%増)
- モーリシャス:258億円(62.7%増)
- コンゴ民主共和国:229億円(49.7%増)
品目の輸出を見ると、リベリア向けの船舶が50隻で、3,849億円と最大だった。自動車の輸出も多く、南ア向けに約10万台で1,368億円、ケニア向けに約6万7,187台で758億円(うち中古車が585億円)、タンザニア向けに8万1,961台で466億円(うち中古車が350億円)、エジプト向けに9,312台で198億円だった。
輸入の大半は南アからの白金族の金属
日本の国別輸入額では、南アがアフリカ全体のシェア67.4%で大半を占めた。南アからロジウム、白金、パラジウムなど白金族の金属が計5,751億円、石炭が1,006億円、鉄鉱石が629億円、自動車が606億円輸入された。また、ナイジェリアのアルミニウム類と液化天然ガス(LNG)、アルジェリアの石油製品、マダガスカルのニッケル類、モロッコのタコとマグロなどの輸入が多かった。
輸入額は多くの国で前年から減少したが、モザンビークが64.8%増、赤道ギニアが60.8%増と、前年から大きく伸びた。両国からはLNGの輸入が増えた。日本の各国からの輸入額で上位10カ国と前年比の増減率は次のとおり。
- 南ア:1兆220億円(22.3%減)
- ナイジェリア:708億円(57.6%減)
- アルジェリア:669億円(21.5%減)
- マダガスカル:514億円(14.1%減)
- モロッコ:420億円(30.4%減)
- エジプト:322億円(34.1%減)
- モーリタニア:290億円(13.4%増)
- モザンビーク:263億円(64.8%増)
- 赤道ギニア:231億円( 60.8%増)
- ガーナ:198億円(1.6%増)
(注)今回の確報は1月24日の速報(2024年1月26日記事参照)から修正となったほか、一部速報値の部分がある。
(井澤壌士)
(アフリカ、日本、南アフリカ共和国、リベリア、ケニア、アルジェリア、マダガスカル、ナイジェリア、タンザニア、エジプト、モロッコ)
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