EU、カスピ海横断輸送ルート開発に100億ユーロ投資
(EU、中央アジア)
タシケント発
2024年02月07日
EUは1月29、30日にベルギーのブリュッセルで、グローバル・ゲートウェイ戦略(2021年12月3日記事参照)の一環として「EU・中央アジア輸送コネクティビティーのための投資家フォーラム」を開催した。欧州委員会の高官をはじめ、ウズベキスタンのジャムシド・ホジャエフ副首相、キルギスのバキト・トロバエフ内閣副議長兼水資源・農業・加工業相、カザフスタンのマラト・カラバエフ運輸相、タジキスタンのアジム・イブロヒム運輸相、トルクメニスタンのバティル・アンナエフ運輸通信庁副長官が出席した。
同フォーラムで欧州委員会のバルディス・ドムブロフスキス執行副委員長(経済総括、通商担当)は、EUと国際的パートナーがカスピ海横断輸送ルートに100億ユーロを投資することを発表した。これらの資金はカスピ海横断輸送ルートを中央アジアと欧州を結ぶ高速かつ持続可能なルートとして整備するために投資される。
フォーラムでは、a.欧州投資銀行(EIB)とカザフスタン、ウズベキスタン、キルギス政府との間で締結した14億7,000万ユーロの覚書(カザフスタン運輸省との5億ユーロ、カザフスタン開発銀行との3億2,000万ユーロを含む)、b.ドイツ鉄道エンジニアリング・アンド・コンサルティング(DB E&C)とカスピ海横断国際輸送ルート(TMTM)協会間の投資覚書、c.欧州復興開発銀行(EBRD)とカザフスタンとの覚書「カスピ海横断国際輸送ルート開発のための道路・鉄道・港湾・物流インフラ分野の戦略的イニシアチブの協力について」などに署名している。
カザフスタン政府は、今後5年間で輸送・トランジット輸送振興に400億ユーロを投じる計画を報告した。全長4,700キロに及ぶカスピ海横断輸送ルートの主要な道路の再整備や、全長1,300キロの新しい鉄道の建設、民間航空トランジットハブの創設、アクタウ港のコンテナハブ創設などに投じられる。
フォーラムの閉会式では、2024年4月にウズベキスタンで初の正式なEU・中央アジア首脳会議が開催されることが発表された。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(EU、中央アジア)
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