ハンガリー、CBAM移行期に係る法令施行

ハンガリー政府は1月22日、EUの炭素国境調整メカニズム（CBAM、注1）に係る法令（2023年CV法、2023年12月22日公布）とその施行規則〔政令602/2023 (XII.22.)〕を施行した。

これにより、同日以降、欧州委員会が運営しているCBAM移行期登録簿（2023年11月1日記事参照）にCBAM報告書を提出することが可能となった。また、ハンガリーのCBAM管轄当局の国家気候保護局（注2）は登録に関連する情報を公表した。

今後、CBAM対象製品（注3）をハンガリーに輸入する者や通関代理人は、移行期登録簿への登録とCBAM報告書の提出が義務となる。移行期登録簿への登録はハンガリー政府の電子申請サイト「magyarorszag.hu」から行い、申請費用は無料。また、四半期ごとのCBAM報告書を各四半期末から1カ月以内に移行期登録簿に提出する。初回のCBAM報告書は、2023年第4四半期（10～12月）に輸入されたCBAM対象製品について、1月31日までに提出する必要がある。報告義務に関しては、税関からもCBAM対象製品の輸入者宛てに通知されることになっている。報告を怠った場合、国家気候保護局は当該事業者に罰金を科すことができる。

国家気候保護局はまた、欧州委の税制・関税同盟総局（DG TAXUD）のウェブサイトより、CBAMに関する英語のガイダンスなどが利用可能なこと（2024年1月10日記事参照）を紹介している。

（注1）CBAMの詳細は2023年8月31日付地域・分析レポート参照。CBAMの移行期間は2023年10月1日～2025年12月31日で、移行期間中は報告義務のみで支払い義務は生じない。

（注2）同局の任務は、記録の保管、管理、罰金を科すことなど。

（注3）鉄鋼、セメント、肥料、アルミニウム、水素、電力。

（バラジ・ラウラ）