ウクライナ戦略産業省、韓国建設会社との作業部会を開催

(ウクライナ、韓国)

ワルシャワ発

2023年11月07日

ウクライナ戦略産業省は10月31日、韓国の双竜建設との作業会合を開催したと発表した。今後、韓国側の協力により、教育施設などの整備や改修が行われる。

会合は同月30日にキーウにおいて開催され、戦略産業省のオレクサンドル・カミシン大臣、双竜建設のウ・サンヒ上級副社長、米国の俳優であるショーン・ペン氏が共同創設者を務める慈善団体「CORE」の代表者などが出席した。双竜建設とCOREは、ウクライナの7つの社会インフラ施設の建築と改修に資金を提供する計画で、これには幼稚園2校と学校2校の建設のほか、ミコライウ州の病院と高等学校およびハルキウ市の学校の改修が含まれる。

戦略産業省は10月19日に、ウクライナ国内のシェルター整備のためのコンセプト「鉄のシェルター」を発表しており、同コンセプトに基づき上記のすべての施設には防護設備が設置される。作業会合では、シェルターの配置についての協議が行われた。

韓国は2022年2月に、ウクライナの全地域に対する渡航警報第4段階(渡航禁止)を発令している一方で(2022年2月14日記事参照)、2023年7月15日には尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がウクライナを初訪問したほか、9月中旬には韓国政府関係者・企業の代表団がキーウを訪問している。

元喜龍(ウォン・ヒリョン)国土交通部長官が率いた代表団には、国土交通部および海洋水産部のほか、公営企業からは韓国土地住宅公社、韓国水資源公社、韓国鉄道公社、韓国空港公社、韓国海外インフラ都市開発支援公社(KIND)、民間企業からはサムスン物産、現代建設、HD現代建設機械、鉄道車両製造の現代ロテム、韓国IT最大手ネイバー、建設コンサルティングのユシン、財閥ハンファグループ傘下のエネルギー関連企業ハンファソリューションズ、ハンファ建設、通信大手KT、CJ大韓通運、総合商社のポスコインターナショナル、海外建設協会が参加した(聯合ニュース9月15日)。

訪問団は、9月13〜14日にキーウ市内で行われた「ウクライナ・韓国再建協力フォーラム」に参加し、ウクライナの政府関係者・企業とキーウ地域の新しい交通マスタープランの開発やブチャ市の下水処理プロジェクトを含む再建プロジェクトについて議論したほか、複数の協力協定の覚書(MOU)を締結した(ウクライナ地域発展・インフラ省発表9月15日外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

また、ボロディミル・ゼレンスキー大統領と元喜龍国土部長官の立ち会いのもと、ウクライナのユリア・スビリデンコ第1副首相兼経済相と、キム・ヒョンテ駐ウクライナ韓国大使が、韓国対外経済協力基金(EDCF、注)の融資に関する協定に署名した。

ウクライナはEDCFを通じ、長期低利融資を受けることができる。EDCFを通じた融資は、インド・ニューデリーでのG20サミットで尹大統領が表明した23億ドルのウクライナ支援計画の一部に含まれる(聯合ニュース9月15日)。

(注)Economic Development Cooperation Fundの略。韓国の有償資金協力基金。

(柴田哲男、坂口良平)

(ウクライナ、韓国)

ビジネス短信 6af9acfdaa8f61cb