海外スタートアップ企業ブラジル展開支援交流会を開催、日本企業3社が参加

(ブラジル、日本、イスラエル、シンガポール)

サンパウロ発

2023年11月07日

ジェトロは10月26日、ブラジル輸出投資促進庁(Apex-Brasil)およびブラジル・プライベートエクィテイ・ベンチャー・キャピタル協会(ABVCAP)との共催で海外スタートアップ企業のブラジルでのビジネス展開支援プログラム「Scale Up in Brazil外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 2023」(注1)のビジネス交流会をサンパウロ市内のジャパンハウスで開催した。同プログラムの支援対象は、日本、イスラエル、シンガポールのスタートアップ企業で、17社(注2)が採択された。うち、日本企業3社を含む計8社がビジネス交流会に参加してピッチを行った。

ジェトロ・サンパウロ事務所の原宏所長は、冒頭あいさつで「この場に異なる3カ国から集まったスタートアップ企業、その多様性はイノベーションやアントレプレナーシップにおけるグローバルな性質を明確に物語っている」と述べた。ABVCAPの国際部門を担当するクリスティアーニ・ナシメント氏も、多様な国々のスタートアップ企業によるブラジル進出の重要性を強調した。また、Apex-Brasilのセルジオ・ロッシ投資アナリストは「ブラジルのビジネス環境はシンガポールとは完全に異なるもので、シンガポールのビジネス環境は日本とは完全に異なるものだ。イスラエルのビジネス環境も相当異なる。われわれの目的は皆様にブラジルのビジネス環境について説明することにある。その情報がなければ、失敗する可能性が高くなるだろう」と述べた。

今回、ジャパンハウスで開催されたビジネス交流会でピッチを行ったスタートアップ企業は次の8社(アルファベット順)。

  1. AccuPredict(アキュプレディクト、シンガポール)(業種:インダストリー4.0、機器故障予測技術)
  2. AimBetter(エイムベター、イスラエル)(業種:IT&データインフラストラクチャー、ITリソースの最適化技術)
  3. Cantier(カンティア、シンガポール)(業種:インダストリー4.0、製造業最適化ソフトウエア)
  4. Cloud Ace(クラウドエース、日本)(業種:ソフトウエア、グーグルクラウドサービスサポート)
  5. Elephantech(エレファンテック、日本)(業種:ディープテック、電子回路基板印刷機器製造)
  6. One Act(ワンアクト、日本)(業種:ソフトウエア、AI、ソースコード売買プラットフォーム)
  7. Smobler(スモブラー、シンガポール)(業種:エドテック、メタバース関連事業)
  8. ThetaRay (セタレイ、イスラエル)(業種:フィンテック、金融取引監視)
写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

プログラム参加企業は、2024年2~3月に再度ブラジルを2週間訪れ、ブラジル各地のスタートアップエコシステムを訪問し、ネットワーキングや商談を通じたPoC(概念実証)を行う予定となっている。

(注1)「Scale Up in Brazil 2023」は、Apex-Brasilを含むブラジルの政府機関が、イスラエル貿易投資庁、シンガポール企業庁(Enterprise Singapore)およびジェトロと共催で実施するプログラム。本プログラムは、2019年からApex-Brasil、ABVCAP、ならびにイスラエル貿易振興庁(イスラエルトレード)が発案し開始。2022年から、対象国にシンガポールと日本が加わった。Scale Up in Brazilの詳細は、日本語ガイドラインPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、または2021年12月22日記事参照

(注2)第1ステージでは応募企業56社の中から34社(そのうち日本企業は9社)が選定され、それらの企業はブラジル市場を知る経験者による、ビジネス商習慣やマーケティング、法制度に関するセミナーを受講した。その上でピッチが行われ、ブラジル、日本、イスラエル、シンガポールのエコシステム関係者による審査を経て、さらに17社に絞り込まれた。第2ステージに進んだ17社の内訳は、日本企業3社、イスラエル企業9社、シンガポール企業5社。採択後、実際にブラジルに渡航したのは12社で、ジャパンハウスでのピッチを行った企業は8社となっている。

(エルナニ・オダ、中山貴弘)

(ブラジル、日本、イスラエル、シンガポール)

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