反政府派、大統領選に向けた統一候補を選出、立候補の可否は不透明

(ベネズエラ)

ボゴタ発

2023年10月24日

2024年後半に実施が見込まれるベネズエラ大統領選に向けて、反政府派の統一候補を決定するための予備選挙が20231022日に行われた。反政府派が組織している予備選挙委員会(CNP)は同日深夜、マリア・コリーナ・マチャド氏(ベンテ・ベネズエラ党)の統一候補決定を公表した。CNPによると、全投票所1,338カ所のうち26.06%、601,110票の集計結果として、マチャド氏が93.13%を獲得した。

当初、首位争いを演じるとみられていたエンリケ・カプリレス氏(元ミランダ州知事/正義第一党)が108日に参加を辞退したことも、マチャド氏に票が集中した一因となった。

マチャド氏は反政府派の指導者の1人だが、20236月に会計検査院より「資産申告に誤りと記載漏れがある」として公職就任を15年間停止する処分を受けている。このことから大統領選に立候補できるかどうかは、現在のところ不透明だ。ただし、1017日にバルバドスで与野党対話が行われ、その翌日には米国から制裁の一部解除が実際に行われたこともあり(2023年10月20日記事参照)、政権側が米国に配慮した対応をとるかどうかが注目される。

今回の予備選挙は、CNPが国の機関である選挙管理委員会(CNE)の協力を得ず、単独で実施したもので、当初は国とのあつれきなどから、国民の関心も低調となることが懸念されていた。しかし、実際には久しぶりの反政府派によるイベントでもあり、投票用紙が足りなくなった投票所もあったと報じられるなど、予想外に多数の有権者の参加が見られたようだ。同日、国家通信委員会(Conatel)は選挙に関する報道を禁止していたが、SNS上では投票所の映像などを使った情報交換が盛んに行われていた。

写真 にぎわう投票所の様子(ジェトロ撮影)

にぎわう投票所の様子(ジェトロ撮影)

(豊田哲也、マガリ・ヨネクラ)

(ベネズエラ)

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