欧州中央銀行、10会合連続利上げ、打ち止めの可能性を示唆

(EU、ユーロ圏)

デュッセルドルフ発

2023年09月20日

欧州中央銀行(ECB)は9月14日、フランクフルトで開催した政策理事会後の記者会見で、3つの主要金利を引き上げると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。利上げは10会合連続で、上げ幅は4会合連続で0.25ポイント(2023年7月28日記事参照)とした。今回の決定で、政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)は4.25%から4.50%、限界貸付ファシリティー金利(オーバーナイト貸し出し、翌日返済)は4.50%から4.75%、預金ファシリティー金利は3.75%から4.00%となる。9月20日以降に適用される。

2022年7月1日に終了したユーロシステムによる債券・国債の購入プログラム(APP:asset purchase programme)については、同プログラムの下で購入して保有する債券・国債の再投資も7月に終了したため、前回会合と同様、慎重かつ予測可能なペースで減少しているとした。

2022年3月末に終了した資産購入プログラム「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」を通じて購入し保有する債券・国債の償還後の再投資期間については、前回会合と同様に、少なくとも2024年末とする方針を維持した。

ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は記者会見で、「インフレ率は引き続き低下しているが、依然として高過ぎる状態が長く続くことが予測される」とあらためて述べ、インフレ率2%目標に向けた「進展を強化するため」利上げを決定したと説明した。今後の利上げ方針については「データ次第」とする一方、「現在の水準を長期間維持すれば、インフレ率の適時目標回帰に大きく寄与する水準に達した」とコメントし、市場では次回以降は連続利上げがいったん打ち止めされるとの見方が広がった。

(作山直樹)

(EU、ユーロ圏)

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