第2回RCEP閣僚会合、新たな加盟国の受け入れプロセスを議論

(ASEAN、インドネシア、タイ)

バンコク発

2023年09月08日

タイ商務省貿易交渉局(DTN)は8月31日、インドネシアのスマランで8月21日に行われた第2回地域的な包括的経済連携(RCEP)閣僚会合について結果を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。全ての締約国でRCEP協定が発効して以降、初めての閣僚会合となった。

主に、RCEP合同委員会(RJC、注)の運営について議論された。具体的には、RCEP協定で用いる関税分類をHS2022に速やかに移行させることや、新たなRCEP加盟国の受け入れプロセスについて結論を早期に出すことなどがRJCに対して求められた。現在、香港、スリランカがRCEPへの参加する意向を正式に表明しており、アラブ首長国連邦(UAE)もRCEPへの参加に関心を示しているという。

また、会合では、「RCEP支援ユニット(RSU)」の設置規定(TOR)や予算が承認された。RSUはASEAN事務局内に設置され、RCEP締約国に協定の確実な履行を促すための支援などを行う予定。

第37回AFTA評議会、ATIGA改定交渉は2024年に妥結か

なお、DTNは、同月19日に開催された第37回ASEAN自由貿易地域(AFTA)評議会の結果についても公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。DTNによると、会合では2023年末までにASEAN加盟10カ国全てが電子形式の原産地証明書(e-Form D)を導入するための準備状況について議論された。電子化により、ペーパーレス貿易システムの強化、原産地証明書の申請・発給・受け取りや仕向け地への郵送などにかかるコストと時間の削減、通関手続きの迅速化などが期待されている。

その他、評議会では、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)で用いる関税分類の「ASEAN統一関税品目分類コード(AHTN)2022」への移行、FTA(自由貿易協定)関税率検索ツール「ASEANタリフ・ファインダー」の運用開始(2023年8月21日記事参照)、ATIGA特恵関税のさらなる活用に向けた調査の実施、ATIGAの改定交渉(2024年までに完了する予定)などが議論された。

(注)RCEP協定第18.2条で規定される委員会。各締約国の上級職員から成り、協定の実施および運用に関する問題の検討や改正の提案の検討などが任務とされる。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(ASEAN、インドネシア、タイ)

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