2022年のアフリカの再エネ発電容量は59GW、10年で倍増

(アフリカ、南アフリカ共和国、エジプト、ケニア、モザンビーク、ナイジェリア、ザンビア、アンゴラ)

調査部中東アフリカ課

2023年07月12日

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が7月3日に公表した報告書「再生可能エネルギー統計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、2022年の世界の再生可能エネルギー発電容量は約3,382ギガワット(GW)だった。アフリカでは約59GWで、世界全体や他の地域と比べると少ないが、2013年の約31GWからほぼ倍増した。

アフリカの国別に見ると、最大は1万455メガワット(MW)の南アフリカ共和国で、エジプト、エチオピアが続いた。2013年からの再エネによる発電容量の増加幅をみると、特に南ア、エチオピア、ケニアなどで顕著な伸びを示したが、モザンビーク、ナイジェリアなどの資源産出国は横ばいだった。アフリカでの上位は次のとおり。

【2022年のアフリカ国別の発電容量】(かっこ内は2013年の数値)

  • 南アフリカ共和国:1万455MW(2013年時点1,501MW)
  • エジプト:6,322MW(3,457MW)
  • エチオピア:5,589MW(2,224MW)
  • アンゴラ:4,066MW(953MW)
  • モロッコ:3,725MW(1,837MW)
  • ザンビア:3303MW(2,302MW)
  • コンゴ民主共和国:2,704MW(2515MW)
  • ケニア:2,649MW(1,100MW)
  • モザンビーク:2,313MW(2,209MW)
  • ナイジェリア:2,206MW(2,120MW)

同報告書によると、2021年の再エネ発電量(実際の電気生産量)は、世界では7,858テラワット時(TWh)で、アフリカでは194 TWhだった。アフリカの前年からの増加は7 TWhだった。アフリカの再エネの内訳をみると、水力が154 TWhで大半を占める。その他、太陽光20 TWh、風力12 TWh、地熱5TWh、バイオ3 TWhだった。上位の国でも水力発電が大半だが、エジプトや南アでは太陽光や風力による発電もあり、ケニアでは地熱の割合が高かった。国別の上位は次のとおり。

【2021年のアフリカの国別発電量】(かっこ内は水力)

  • エジプト:2万5,288GWh(1万4,769GWh)
  • ザンビア:1万6,310 GWh(1万6,075GWh)
  • モザンビーク:1万5,603 GWh(1万5,447GWh)
  • アンゴラ:1万4,004GWh(1万3,802GWh)
  • 南ア:1万1,027GWh(6,581GWh)

電源全体に占める再エネの割合では、アフリカ全体で22.7%、エジプト12.3%、南ア5.2%で、いまだ火力発電の比率が高い。水力発電などによって電源全体の再エネ比率が高い国もあり、ザンビア92.0%、モザンビーク84.5%、アンゴラ73.7%だった。なお、アフリカでは未電化地域も多いこともあり、2022年のアフリカの対内直接投資額でも、再生可能エネルギー関連の投資が増えている(2023年7月11日記事参照)。

(井澤壌士)

(アフリカ、南アフリカ共和国、エジプト、ケニア、モザンビーク、ナイジェリア、ザンビア、アンゴラ)

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