現代自動車、2024年にEVバッテリー輸出開始の見通し

(インドネシア、韓国)

ジャカルタ発

2023年07月24日

韓国の現代自動車ASEAN統括本社のイ・ヨン・タク社長は、インドネシアで生産する電気自動車(EV)向けバッテリーセルとバッテリーパックについて、2024年に輸出を開始するとの見通しを明らかにした。7月11日、複数の地元紙が伝えた。

現代自動車は現在、西ジャワ州カラワン県において、LGエナジーソリューション(LG化学の子会社)と共同で、EV向けニッケル・コバルト・マンガン・アルミニウム酸リチウム正極(NCMA正極)を採用したリチウムイオン電池(NCMA電池)セル生産工場の建設を進めている(2021年8月4日記事参照)。

さらに、2023年5月末には西ジャワ州ブカシ県チカランでバッテリーパックなどにかかる工場に着工した(現代自動車プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。イ社長は、これら2件の工場に総額15億ドルを投資していると伝えた。

加えて、EVの開発促進に関する大統領規定2019年第55号などで定められている電動車の税優遇のための原材料・部品の現地調達率(TKDN)の段階的引き上げについて、2024年に60%に引き上がる点について、定められた現地調達率の達成に楽観的な見方を示した(「テンポ」7月11日)。

2024年に多目的(MPV)モデルのEVを生産、販売する計画も明らかに

現代自動車は7月12日、インドネシアで多目的(MPV)モデルのEVを生産、販売する計画があることも明らかにした(「ビスニス」7月13日)。同社アジア事業戦略担当者のイ・ギバク氏は、具体的な投入時期や投入予定のモデル名については公表しなかったものの、今後EV用バッテリーセルおよびバッテリーパックの工場建設が進み、サプライチェーン(供給網)を構築することができれば、より安価にEVを販売できるとした。

現代自動車は2019年11月、同社初となる東南アジアの完成車工場をインドネシアに設立すると発表し、当初からEVの生産計画を発表するなどEVに積極的な姿勢をみせてきた。同社が生産・販売するIoniq5は2023年6月の販売台数が918台(前月比28.2%増)となり、同月中にインドネシアで最も多く販売されたEVとなっている。

(八木沼洋文)

(インドネシア、韓国)

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