首相と閣僚交代、ブルドゥージャ氏はエネルギー相に
(ルーマニア)
ブカレスト発
2023年06月22日
ルーマニアで2021年11月の組閣時に連立政権内で合意していた内閣交代(2021年12月7日記事参照)が6月15日、国会による新政権の閣僚名簿の承認と、同日にクラウス・ヨハニス大統領が任命令に署名したことで実現した。首相は国民自由党(PNL)所属のニコラエ・ヨネル・チウカ氏から社会民主党(PSD)所属のイオン・マルチェル・チョラク氏に交代した。
2021年の組閣時には、2年後に首相のほか財務相、法相、運輸・インフラ相の主要4ポストをPNLとPSDが入れ替わって就任することに合意していた。今回は財務相がPSDからPNL所属議員に交代したが、法相は前・後任ともPNL所属議員、運輸・インフラ相はPSD所属の前内閣の閣僚が留任した。
前内閣で研究・イノベーション・デジタル化相を務めたセバスティアン・イオアン・ブルドゥージャ氏(PNL、2023年5月23日記事参照)は今回、エネルギー相に就任した。ブルドゥージャ氏は演説で、6月16日に建設開始が承認されたトゥズラ-ポディショール(Tuzla-Podisor)ガスパイプラインについて、ロシアのウクライナ侵攻が引き起こしたエネルギー危機がこのプロジェクトの重要性をより強調することになったと評価した。このパイプラインは、EU近代化基金を財源として4億7,800万ユーロを投じ、工期10年間で、黒海からブカレスト南西部まで308.3キロを接続するもの。既にルーマニア西部、ハンガリー国境のティミシュ県まで開通しているブルア(BRUA)ガスパイプラインに接続することで、現在の輸送量に加えて年間80億立方メートルを上積みし、ルーマニアは天然ガスを受入れる側から送り出す側に転ずることができる(ルーマニア国営通信社「AGERPRES」6月16日付)。
(西澤成世)
(ルーマニア)
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