EUの2022年の新車登録台数、BEVが初めて100万台超え

(EU)

ブリュッセル発

2023年02月02日

欧州自動車工業会(ACEA)は2月1日、EU26カ国(マルタを除く、注)の2022年の乗用車の燃料タイプ別の新車登録台数を発表し(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、925万7,208台だった(添付資料表参照)。ガソリン車(全体の36.4%)とディーゼル車(16.4%)は合計すると、約490万台で、全体の半数をかろうじて超えたものの、登録台数は前年からそれぞれ12.8%、19.7%減少した(添付資料図参照)。

ハイブリッド式電気自動車(HEV)やバッテリー式電気自動車(BEV)は2022年も引き続き好調だった。特に、HEVは前年比8.6%増の約209万台だった。HEVは2021年、EU市場で初めてディーゼル車を上回り、燃料タイプ別でガソリン車に次いで新車登録台数が多い車種となったが(2022年2月4日記事参照)、2021年通年でのディーゼル車との登録台数差は約2万7,500台と僅差だった。しかし、2022年はディーゼル車を通年で約56万7,000台上回り、新車登録全体に占める割合も22.6%となった。

また、EVのうち、BEVは前年比28.0%増の約112万4,000台と、通年で初めて100万台を超えた。新車登録全体に占める割合も12.1%と、初めて1割を超えた。一方、プラグインハイブリッド車(PHEV)は前年比1.2%増と微増にとどまる約87万4,000台で、新車登録全体に占める割合も2021年からほぼ横ばいの9.4%だった。これまで欧州でのEV販売増加を牽引してきたドイツや北欧諸国などで、徐々にPHEVへの購入補助金制度が縮小されており、EVの中でもPHEVより購入助成が大きいBEVが選択される傾向にある。

このほか、天然ガス自動車(NGV)は主要市場のイタリアで前年比65.9%減となったことが響き、前年比57.6%減、約1万8,000台まで落ち込んだ。液化石油ガス(LPG)車などその他の代替燃料車は前年比13.7%増の約26万台だった。

(注)ACEAでは、マルタはデータ入手不可能として統計に含めていない。

(滝澤祥子)

(EU)

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