広東省の複数の市で、新型コロナ感染はピークアウトの段階に

(中国)

広州発

2023年01月11日

中国広東省の仏山市や深セン市など複数の主要な市では、既に感染がピークアウトの段階にあるとみられている。仏山市政府は1月9日に開催した記者会見において、同市の新型コロナウイルス感染者数が2022年12月中下旬にピークに達したと発表した。同市の周紫霄副市長は「現在はピークアウトの段階にあり、発熱外来の受診者数は着実に減少を続けている。(同受診者数は)12月20日のピーク時の3万人から1月8日時点では2,110人まで減少した」と説明した。

また、深セン特区報の1月6日付報道によると、広東省深セン市では、2022年12月11日から2023年1月1日まで同市811カ所の社区健康サービスセンターで開設した発熱診察室における1日当たりの患者数は、12月21日に延べ14万人を超えピークに達した。しかし、直近では延べ3万人程度に減少しているという。

このほか、広州市でも感染のピークアウトを迎えたとみられている(2022年12月28日記事参照)。

他方、広東省や省内市政府は感染者数の公表を取り止めており、1月9日時点で省全体の感染者数を把握することはできなくなっている。ジェトロが1月9日に深セン市衛生健康委員会の関係者に感染者数について情報提供を求めたところ、「感染者数のデータについて公表の見通しはない」とのことだった。

なお、ジェトロが1月9日に広州市開発区の日系自動車関連企業にヒアリングしたところ、同市進出日系企業においても、(感染後に回復した人員が増える中で)従業員の出勤率は改善傾向にあるという。また、同社における出勤率は、2022年末の5割程度から、足元では7~8割程度まで回復したと説明した。

(汪涵芷)

(中国)

ビジネス短信 c53c4da80443a2c7