中銀が輸入決済時のL/C使用義務を撤廃

(エジプト)

カイロ発

2023年01月10日

エジプト中央銀行(CBE)は12月29日、輸入決済時の信用状(L/C)使用義務を撤廃すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

CBEはウクライナ情勢に端を発する外貨準備不足への対応として、2022年3月から輸入取引でL/C決済を義務化したが(2022年2月17日記事参照)、L/C開設の遅れによる輸入の停滞が問題となっていた。CBEは10月27日にL/C義務化措置を12月末までに段階的に廃止すると表明し、適用条件を緩和していた(2022年10月28日記事参照)。今回の発表をもって正式に同措置を撤廃する。

現地報道によると、L/C開設の遅れによって一時140億ドル相当の輸入品が港に滞留していたが、12月に入って約50億ドル相当が解放された。ムスタファ・マドブーリー首相は12月25日の閣議で、残る滞留品のうち、特に食料品の早期解放に向けた計画策定を指示した。

CBEは、12月時点の外貨準備高は約340億ドルで、前月より4億7,000万ドル増加したと発表しているが、L/C決済を義務化した2022年3月の約370億ドルに比べると、依然として低い水準にとどまっている。

(塩川裕子)

(エジプト)

ビジネス短信 46b08cd5b4211ee7