大連市で感染急拡大も進出日系企業は冷静に対応

(中国)

大連発

2022年12月15日

中国・遼寧省大連市では125日に新型コロナウィルス感染の防疫措置が緩和(12月8日記事参照)されて以降、自主的な抗原検査によって陽性者が相次いで判明し、市内で感染が急拡大する様相を呈している。

大連市内のオフィスビルでは陽性者が多数発生している模様で、スタッフの自宅待機やオフィス閉鎖などの対応がとられている。感染の防疫措置が緩和されて以降は自主的な抗原検査と軽症者などの自宅療養が認められており、関連部門への報告義務がなくなったことから、正確な感染者数が把握できない状態となっている。大連市政府は、国家衛生健康委員会が1214日以降は無症状感染者数を公表しなくなった旨を伝える一方で、陽性となった場合の自宅療養に関するガイドラインを公表し、市民自身による体調管理を促している。また、大連市衛生健康委員会は発熱外来を受け付けている病院のリストを公表した。

大連市の日系製造業の生産現場は大きな影響を受けていない模様だ。ジェトロが、日系製造業が多く進出している金普新区の複数の日系企業に確認したところ、一定数の陽性者の発生はやむを得ないとして、特定部門に感染者が集中することを回避するため、作業をグループ分けして対応したり、陽性から回復した人員を段階的に作業復帰させるための隔離作業場を設置したりするなど、各社とも比較的冷静な対応をとっている。

(重岡純)

(中国)

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