世界最大級の医療機器見本市「MEDICA2022」開催、前年比1.8倍の来場者数に
(ドイツ、日本)
海外市場開拓課
2022年12月01日
世界最大級の医療機器見本市「MEDICA 2022」が11月14~17日にドイツ・デュッセルドルフで開催され、70カ国から5,395社超が出展した(注1)。医療機器・医療用消耗品のほか、医療情報通信技術(ICT)、介護やスポーツ用品など、医療・健康にかかわる幅広い分野の製品が紹介され、代理店や医療関係者ら8万1,000人超が世界から来場した。
新型コロナウイルス感染拡大前の2019年は、出展企業数が約6,300社(注2)、来場者数は12万1,000人で、今回の出展企業数・来場者数は同年の約1~3割減の水準にとどまった。一方、2021年と比較すると、出展企業数は約1.5倍、来場者数は約1.8倍に増え、回復傾向にある。なお、2020年はオンラインのみの実施だった。
出展企業数の最多国・地域はドイツ(869社)で、中国(700社)、米国(454社)、イタリア(372社)、韓国(332社)と続いた。日本からは126社(MEDICA:81社、COMPAMED:45社)が参加し、12位(アジアでは中国、韓国、台湾、インドに次ぎ5位)となった。
ジェトロのジャパンパビリオンには医療機器関連メーカーなど22社(中小企業21社、大企業1社)が参加し、安全性の高さ、使いやすさ、精度の高さなどで世界的に定評のある日本製品・技術が幅広く紹介された。特に、日本が得意とする微細で精密な手術機器や、独自性の高いトレーニングシステムなどに、来場した世界各国の代理店や医療関係者から注目が集まった。
今回の特徴は、デジタルヘルス関連の製品の出展が目立ったことだ。会場ホール12には、「START-UP PARK」というデジタルヘルス関連のスタートアップ43社(日本:2社)が出展するエリアが設けられたほか、中国のIT大手の華為技術(ファーウェイ)や、ドイツのウェアラブルテクノロジーズ(注3)などウェアラブル関連企業が出展した。
ホール内のイベントスペースでは、活発なピッチやコンペティションが開催され、にぎわった。代表的な医療機器である診断関連機器、治療機器などとは一線を画した、健康管理を目的としたバイタルサイン測定のための機器やアプリ、人工知能(AI)画像解析による診断および治療支援技術など、ユニークな発想が新型コロナ禍で一層注目されていることがうかがえた。
MEDICA2023は2023年11月13~16日に開催予定。
(注1)MEDICAは、医療機器技術・部品見本市「COMPAMED」と併せて開催される。2022年はMEDICAに4,676社、COMPAMEDに719社が出展。
(注2)2019年はMEDICAに約5,500社、COMPAMEDに約800社が出展。
(注3)ウェアラブル機器市場で、ビジネス促進とイノベーションのためのプラットフォームを提供する企業。
(檜山祐貴、吉積実里)
(ドイツ、日本)
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