オランダ政府、7つの水素プロジェクトに約8億ユーロの補助金を支給
(オランダ)
アムステルダム発
2022年12月26日
オランダ政府は12月20日、「欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI、注)」の水素分野の支援枠組みである「IPCEI Hy2Use」のプロジェクトとして、オランダ国内で水素製造にかかわる7つのプロジェクトに対し、補助金を支給することを発表した(プレスリリース)。これらのプロジェクトは、オランダ企業庁(RVO)による審査(申請期間:2022年9月1~14日)を経て選定され、総額7億8,350万ユーロの補助金が投入される。全てのプロジェクトが計画どおりに完了した場合、1,150メガワット(MW)の電解能力が確保されることとなる。これは、オランダ国家水素戦略(The Netherlands Government Hydrogen Strategy)における国家気候協定(The National Climate Agreement)の2030年までの目標の4分の1以上の能力となる。
今回、選定されたプロジェクトは、ロッテルダム・ハイドロジェン・カンパニー〔Rotterdam Hydrogen Company(Shell)〕、ヘルメス(H2ermes)、エア・リキード・インダストリー(Air Liquide Industrie)、ハイシーシー/エイチツーフィフティ(HyCC / H2-Fifty)、オーステッド・ハイドロジェン・ネザーランド・ホールディング(Ørsted Hydrogen Netherlands Holding)、エンジー・エナジー・ネザーランド(Engie Energie Nederland)の各社が保有するプロジェクトとなる。鉄鋼生産や製油所、肥料生産におけるグリーン水素利用に関するプロジェクトなどが含まれる。
IPCEIの水素補助金は計4回の申請期間が設定されており、オランダで利用できる予算の総額は16億ユーロとなっている。次回の3回目(申請期間:2022年11月15日~12月14日)では5億9,500万ユーロが割り当てられており、主に貯蔵と輸入インフラ分野に焦点が当てられている。4回目(2023年第1四半期開始予定)では、1億9,900万ユーロがモビリティと輸送分野に割り当てられる予定だ。
(注)イノベーションの必要な重点産業への複数の加盟国による共同支援を可能とする、EUの国家補助ルールの特例措置(2022年7月9日記事参照)。
(望月竜之介)
(オランダ)
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