NTTがヨハネスブルクに大規模データセンター設置を発表

大手通信会社NTTは10月26日、南アフリカ共和国（以下、南ア）のヨハネスブルクに、「ヨハネスブルク1データセンター」と呼ばれる大規模なデータセンターを開設したと発表した。完成時の施設面積は6,000平方メートル、容量は12メガワット（MW）となる見込みだ（現在は6MWのみが利用可能で、残りは建設中）。

2010年に、NTTは南アの大手ICT（情報通信技術）企業のディメンションデータ（Dimension Data）を推定32億ドルで買収した。NTTは、2020年のシリル・ラマポーザ大統領による「投資会議」（注）で、データセンターのインフラ拡張のために8億7,500万ランド（約72億7,500万円、1ランド＝約8.2円）の投資を約束した（2022年11月26日記事参照）。2020年9月までに、すでにアフリカ全域で最大10MWの容量を持つデータセンターを11カ所設置している。NTTは「南アはアフリカのデジタル変革において重要な役割を担っており、NTTの成長戦略の要だ」と発表している。また、同社によれば、現在アフリカでデジタルブームが起きており、サハラ以南のアフリカでは2025年までに、2020年比で24％増の6億1,500万人のユーザーがモバイルサービスに加入する、と試算している。今後数年間で、ヨハネスブルクをはじめとするアフリカの各都市にデータセンターの拡張を予定している。

2019年以降、南アでは米国ソフトウエア大手マイクロソフトや、電子商取引最大手アマゾンなどが、データセンター建設に対して大規模な設備投資を行い、2022年9月には、グーグルが中長期的に、南アにデータセンターを設立する計画を発表した。南アの法律事務所の調査によると、アフリカのデータセンターの数は近年、急速に増加しており、2022年6月時点の拠点数は50以上となっている。

（注）「投資会議」は、2021年を除き、2018年から毎年ヨハネスブルクで開催され、民間による投資実績や政府による経済改革の進捗、企業の今後の投資案件の発表などが行われる。2022年3月24日には、「第4回南アフリカ投資会議」が開催された。

（堀内千浪）