カナダ保健省、ファイザー製新型コロナ・オミクロン株対応2価ワクチンを承認

(カナダ)

トロント発

2022年10月11日

カナダ保健省は10月7日、ファイザー・ビオンテックの新型コロナウイルス・オミクロン株「BA.4、BA.5」型対応2価ワクチン「コミナティ」の12歳以上を対象とした使用を承認した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと発表した。カナダでの2価ワクチンの承認は、9月1日付でのモデルナ製の18歳以上を対象とした承認(2022年9月2日記事参照)に次いで2例目で、「BA.4」「BA.5」を対象としたものとしては初となる。

同省は審査の結果、ファイザー・ビオンテックの追加接種用2価ワクチンが安全かつ有効と判断した。同ワクチンは、新型コロナウイルスのオリジナルの株とオミクロン株「BA.4、BA.5」の両方に対して強い免疫反応を引き起こすことが期待されているという。安全性については、オリジナル株に対する「コミナティ」ワクチンと同様で、ほとんどが軽度の副作用と予想されている。なお、承認には、同ワクチンの安全性と有効性に関する情報を同省に提供し続けることが条件として課されている。

発表の席で、カナダ公衆衛生局長のテレサ・タム博士は「夏の終わりに患者数が減少したものの、新型コロナウイルス感染者は再び増加傾向にある」と述べ、冬季に室内で過ごす時間が増えても感染や重症化から十分に身を守ることができるよう、追加予防接種を行うよう呼びかけた。また、同局副局長のハワード・ニュー博士は、カナダではモデルナ製2価ワクチン1,050万回分を確保しており、ファイザー・ビオンテック製2価ワクチンについても翌週から納品され、1,260万回分の調達契約を締結しているため、「カナダの需要を満たすために十分な量の両方のワクチンがあると確信している」と述べた(CBCニュース10月7日)。

本ワクチンの承認を受け、カナダの国家予防接種諮問委員会(NACI、注)は同日、各州や準州に対する新型コロナウイルスワクチン接種のガイドラインPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を更新し、「65歳以上や、重症化する危険性が高い12歳以上の人に追加予防接種を提供すべきで、使用ワクチンの種類としては新型コロナ・オミクロン株対応2価ワクチンが好ましい」と勧告した。

(注)NACIは、小児科や感染症、社会科学、公衆衛生などの分野の専門家で構成され、連邦政府に新しく承認されたワクチンの使用に関する指針を提供している。

(飯田洋子)

(カナダ)

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