ノルウェー大陸棚でのCCSの許可・用地獲得に3社が応募

(ノルウェー)

欧州ロシアCIS課

2022年06月17日

ノルウェー政府は6月8日、4月8日から公募していた、北海の大陸棚での特定区域における二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(以下CCS)を行う許可取得および用地割り当てについて、ノルウェーに本社を置くケープ・オメガとウィンターサル・デア、フランスに本社を置くトタルエナジーズの3社から申請を受理したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ノルウェー政府はCCSを雇用創出および排出量削減の観点で重要視しており、これまで大陸棚でのCCS実施許可について、2019年に1件、2022年4月に2件に対して承認している。大陸棚でのCCSおよびCO2の回収・有効利用・貯留(CCUS)のための調査実施に当たっては政府の許可が必要とされており、CO2の輸送に当たっても安全と労働環境に関する規制がある。

2019年にCCS実施許可を取得したノーザン・ライツ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、ノルウェーに本社を置くエクイノール、英国に本社を置くシェル、トタルエナジーズの3社による合弁会社で、ノルウェー政府の支援を受けたCCS実証プロジェクト「ロングシッププロジェクト」(2022年4月18日記事参照)においてCO2の輸送・保管を実施している。第1段階として、2024年半ばに年間最大150万トンのCO2の処理を実現する。うち80万トンについては、すでにノルウェー企業2社(セメント工場および廃棄物からエネルギーを取り出す工場)向けに確保済み。同社はCO2の年間処理能力を500万トンまで高めたいとしており、第2段階では欧州企業の脱酸素化を支援予定としている(同社ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

2022年4月には、エクイノールに対して北海での許可が、エクイノール、ホリソンツエナジー、ボルエナジー(いずれもノルウェー企業)の3社で構成されるグループに対してバレンツ海での許可が、それぞれ下りている(4月5日付政府発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。今回の公募結果による許可・用地割り当ては2022年の下半期中に下りる予定。

(牧野彩、島村英莉)

(ノルウェー)

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