日立エナジーがGJ州バドーダラ市で変圧器部品の新工場始動
(インド)
アーメダバード発
2022年05月20日
日立エナジー・インディアは5月11日、グジャラート(GJ)州バドーダラ市で変圧器部品の新工場をスタートさせたと発表した。同社は、スイス・チューリヒに本社を置き、全世界90カ国に約3万8,000人の従業員を雇用する、日立エナジーのインド法人となる。
同社のバドーダラ新工場はインド最大の製造拠点で、「樹脂含浸紙」という最も信頼性の高い技術を用いた乾式ブッシングを、年間最大1,000ユニット製造する能力を持つ。
プレスリリースによると、この乾式技術は、変圧器用ブッシングの熱的、電気的、機械的性能を向上させ、電力網に配備される変圧器に不可欠な耐久性と信頼性を高めるものだという。湿気の侵入や油漏れを防ぎ、故障時の火災のリスクを軽減することができるため、送配電事業者は送電網の安全性を高め、故障やメンテナンスの際のコストを削減することができる。
また同プレスリリースは、バドーダラ新工場は(1)100%化石燃料を使用しない電力で操業していること、(2)製造設備は、環境への影響を最小限に抑え、天然資源を保護するように設計されていること、(3)インドにおける生産事業は、同社のカーボンニュートラル目標に沿った最高水準の持続可能性を目指すものであることなど、インドにおける環境に配慮した運営方針についても強調している。N.ベヌ社長は「当社の製品群の80%以上は現地生産で、地合いを見ながら適切な新技術をインドに導入していくことで、より多くの顧客価値を創造し、エネルギーシステムを持続可能で柔軟かつ安全なものに進化させていく」と述べている。
現在、2070年までのカーボンニュートラルの実現に向け(2021年11月5日記事参照)、再生可能エネルギーの比率を高めることと製造業の振興、経済発展の両立を目指すインドにとって、送配電網を強化し、電化地域の拡大、電力の安定供給、送配電効率の向上を行うことは、非常に重要な課題だ。送電線網の整備において、高品質でメンテナンスコストが低い新製品がインドで現地生産されることは、建設、維持、管理、運営、安全の面においてプラス面が多く、同社の製品がこれらの課題解決に貢献するものと期待される。
(古川毅彦)
(インド)
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