外国人労働者の入国再開、3月中にも

(マレーシア)

クアラルンプール発

2022年03月07日

マレーシアのサラバナン・ムルガン人的資源相は3月2日、外国人労働者の新規入国を3月中に再開する見込みと発表した。外国人労働者が健康診断を受け、入国ビザが発行されれば、雇用主は入国時の隔離施設を予約することができる。施設の予約は外国人労働者集中管理システム「FWCMS外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」から行う。

政府は新型コロナウイルス感染拡大による失業率の高止まりなどを受けて、マレーシア人の就職機会を優先するため、2020年6月から外国人労働者の新規受け入れを一時的に中止していた(2020年8月6日記事参照)。このため工場や建設現場などでは深刻な労働力不足に直面し、特に製造業にとっては外国人労働者の受け入れ再開が喫緊の課題となっていた。地場や外国の産業界の強い要請がある中、政府は2021年12月10日の閣僚会議で、先行して承認していたプランテーション分野に加え、製造業、サービス業、農業、鉱業・採石、建設業、家政婦の全部門の外国人労働者の採用再開を決定していた。

その後、政府は、農園分野では1月28日、製造業など他の分野では2月15日から、上記FWCMSを通じて受け付けを開始し(登録方法はFMCMSのガイドPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)参照)、3月1日までに17万1,133人の申請受け付けを完了した。このうち、製造業で働く労働者は11万8,967人で約7割に当たる。

マレーシアに入国する外国人労働者は入国前と到着時、入国後の隔離期間中、隔離終了後の各段階で、新型コロナ感染対策の「標準作業手順書(SOP)」を順守する必要がある(国家安全保障会議ウェブサイトPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)参照、マレー語)。SOPによると、外国人労働者は入国後に指定施設で7日間隔離される。さらに、入国前から入国後の隔離終了まで計4回のPCR検査を課される。隔離にかかる費用は、食費や検査費などを含めて1人当たり2,000~3,000リンギ(約5万5,000~8万2,500円、1リンギ=約27.5円)で、雇用主が負担する。入国後の隔離施設には、国家災害管理庁(NADMA)の承認を受けたクランバレー首都圏のホテルなどとなる。

(吾郷伊都子)

(マレーシア)

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