越境EC総合試験区、27都市・地域での追加設立を許可

(中国)

上海発

2022年02月17日

中国国務院は2月8日、「オルドスなど27都市・地域における越境EC総合試験区設立に関する回答」(国函〔2022〕8号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表。内モンゴル自治区オルドス市、江蘇省揚州市、浙江省金華市、安徽省馬鞍山市など27都市・地域での越境電子商取引(EC)総合試験区の設立を許可した。具体的な計画は、各都市の政府が今後発表する予定だ。

越境EC総合試験区は、2015年3月に浙江省杭州市で初めて設立されて以降、2016年1月に天津市や上海市など12都市、2018年8月に北京市や江蘇省南京市など22都市(2018年7月24日記事参照)、2019年12月に河北省石家荘市や山西省太原市など24都市(2020年1月7日記事参照)、2020年5月に江蘇省常州市、浙江省湖州市など46都市・地域が追加されてきた。今回新たに27都市が追加されたことにより、チベット自治区を除き、全国30の省・市・自治区の計132都市・地域での試験区の設置が認可されたことになる。当該都市には中西部内陸部の都市も多く含まれる(添付資料表参照)。

今回の「回答」では、試験区の機能のさらなる発揮に向けて、主に以下の方針を示している。

  • 越境ECに関する統計システムのさらなる整備
  • 越境ECで輸出する貨物にかかる増値税や消費税の免税措置の実施
  • 「査定徴収」(注1)という企業所得税の簡易課税方式を活用した、企業の納税手続きの簡素化
  • 税関により越境EC総合試験区としての条件を満たしていると確認された試験区に対し、越境EC輸入商品の小売り関連の試験措置(注2)。
  • 企業による国外での越境EC倉庫の共同建設・共有を支援。

(注1)「査定徴収」は、課税対象商品の売り上げや利益率に基づき税額を簡易的に算定する方法。それ以外に「普通課税」(帳簿上の課税所得に基づく税金算定方法)がある。

(注2)越境ECによる輸入の監督管理完備に関する通知(商財発〔2018〕486号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の越境EC税制対象リスト(2018年12月4日記事参照)で定める商品に対する優遇措置のこと。このほか、越境EC小売り輸入試験の拡大、監督管理要求の厳格実行に関する通知(商財発〔2021〕39号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、2021年3月から越境EC総合試験区でも保税による輸入販売が可能になった。

(王艶)

(中国)

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