オミクロン変異株を警戒し規制強化、アフリカ7カ国からの非居住外国人の入国を禁止に

(チリ)

サンティアゴ発

2021年12月01日

チリ保健省は11月29日、南アフリカ共和国で発見された新型コロナウイルスのオミクロン変異株の流行を警戒し、その予防措置として規制強化を行うと発表した。内容は次のとおり。

1.12月1日より過去14日間に以下の国に滞在歴のある非居住外国人の入国を禁止する。

対象国:南アフリカ共和国、ジンバブエ、ナミビア、ボツワナ、レソト、エスワティニ、モザンビーク

過去14日間に同7カ国に滞在歴のあるチリ人およびチリ居住外国人は、入国時にPCR検査を行い、ワクチン接種の有無やPCR検査の検査結果にかかわらず7日間の隔離を行う。

2.12月1日から再開予定だった3つの陸路国境の再開(2021年11月17日記事参照)を延期する。同措置は、状況に応じて2週間後に延期の有無を発表する。

3.ブースター接種完了者の入国後の隔離免除を取り消す。

12月1日から、国籍を問わずワクチンの追加接種(ブースター接種)を行った入国者には、入国時のPCR検査と隔離が免除される予定だったが、この措置が取り消される。従って、追加接種の有無にかからず入国時にPCR検査を行い、陰性結果が出るまでは隔離を行わなければならない。また、ワクチン未接種者については、入国時にPCR検査を行い、検査結果が陰性の場合でも7日間の隔離が義務付けられている。

4.空港検疫の強化。

海外からの渡航者全て検疫を強化し、PCR検査の結果が陽性で、かつオミクロン変異株への感染疑義者については保健当局指定の隔離施設での隔離が義務付けられる。

18歳以上は特別移動許可証の取得にブースター接種が必要に

加えて同省は、所定回数のワクチン接種完了から6カ月以上が経過した18歳以上の者が特別移動許可証(Pase de Movilidad)を利用する場合、2022年1月1日からブースター接種を義務付けると発表した。同措置は、45歳以上を対象として2021年12月1日から開始となっていたが、世界的なオミクロン変異株の感染拡大の懸念を受け、1カ月後には対象を18歳以上に拡大し、ブースター接種を促進させる狙いがあるとみられる。

(岡戸美澪)

(チリ)

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