政府が5G関連の研究開発に投資、サプライヤーの新規参入促進

(英国)

ロンドン発

2021年07月08日

英国政府は7月2日、第5世代移動通信システム(5G)の技術開発に対し、最大3,000万ポンド(約45億9,000万円、1ポンド=約153円)の助成事業を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これは、デジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)の「フューチャー・RAN・コンペティション(FRANC)」と呼ばれる公募事業で、採択されたプロジェクトの研究開発費を支援することでサプライヤーの新規参入を促し、同国の5G戦略を推進するのが狙い。書類選考や面接などの選考プロセスを経て、11月からのプロジェクト開始を目指す。

FRANCが支援するのは、以下のいずれかに該当するプロジェクト。

  • 2025年までに、英国の密集都市部で利用が可能な5GオープンRAN(注)ソリューションの開発を加速
  • 英国で研究開発を行う5G RANの新規サプライヤーを誘致し、英国の公共ネットワークに新規参入する可能性のある企業間の専門的な連携を促進
  • 「5Gサプライチェーン多様化戦略」の目的であるサプライチェーンの分散化とオープンインターフェースの標準化、ネットワーク展開で優先事項となるセキュリティーの実現への貢献

FRANCは、DCMSが2020年11月に発表した「5Gサプライチェーン多様化戦略(2020年12月7日記事参照)」の中の主要施策の1つとされる。もう1つの主要な柱として、DCMSは6月24日、スマートRANオープンネットワーク相互運用性センター(SONICラボ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開設したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。同研究施設は、5G無線機器の部品サプライヤー育成のため、5GオープンRANソリューションの実証実験を行うもので、ロンドンとブライトンに拠点を置く。政府は同施設に対し、100万ポンドの支援を行う。

DCMSはFRANCの発表の中で「通信機器多様化タスクフォース」の後継組織として、「通信機器サプライチェーン多様化諮問委員会」を新設したことも発表した。タスクフォースから業務を引き継ぎ、競争力・多様性のある5G通信市場の実現に向けた助言機能を強化する。議長には長く富士通英国法人の非業務執行会長を務めたサイモン・ブラグデン氏が就任している。

DCMSは既に2020年11月に複数の通信事業者による5GオープンRANの実証プロジェクト「NeutrORAN」を立ち上げ、160万ポンドを拠出。同計画には、NECが中核メンバーとして参画している。

(注)通信網供給事業者の機器の相互運用を可能にする技術。

(尾崎翔太)

(英国)

ビジネス短信 f4aaf48ca6d22821