5月25日から新型コロナ対策の移動制限令を厳格化

(マレーシア)

クアラルンプール発

2021年05月28日

マレーシアのムヒディン・ヤシン首相は5月22日、全国的な新型コロナウイルス感染拡大に鑑み、同月12日から実施している全国規模の移動制限令(Movement Control Order:MCO)の制限内容を25日から厳格化すると発表した。

営業時間や出勤率に制限

制限を強化する内容は以下のとおり。

州間や州内の地区をまたぐ移動の禁止、集会の禁止(業務上の対面での面談、セミナーなどを含む)、飲食店での店内飲食の禁止などは、5月12日からの制限内容が引き継がれる(2021年5月12日記事参照)。具体的には、国家安全保障委員会(NSC)が随時発表する標準作業手順書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(SOP、注)の確認が重要だ。

  • 禁止業種・活動以外の全ての業種の操業は可能。ただし、従業員の出勤は部門や業務内容を問わず、全従業員の60%まで。
  • レストランや小売店の営業時間は午前8時から午後8時まで。薬局は午前8時から午後10時まで。製造業については24時間の操業が可能。
  • 公共交通機関の定員は50%までに制限。なお、タクシーや配車サービスの乗車人数は運転手を含めて3人までに制限している。

製造業の出勤率については、1日(24時間)に出勤する従業員数の合計が全従業員の60%以下になるように調整することとなる(添付資料表参照)。日系企業はこのSOPに沿って対応しているが、特に製造現場では「生産量は変わらないのに、1日の合計出勤人数を60%に削減することは非常に困難」との多数の声が上がっている。

国際貿易産業省(MITI)が製造業のSOPPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)と「よくある質問(FAQ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公表しているため、NSCウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどで、MCO全体のSOPのほか業種ごとの最新のSOPを確認することが重要だ。

(注)MITIが発表しているSOPやFAQを含め、5月27日時点で公表されているSOPなどは全てマレー語のみ。

(田中麻理)

(マレーシア)

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