加工食品・非アルコール飲料のラベル規格履行に一定の猶予

(メキシコ)

メキシコ発

2021年04月05日

メキシコ経済省は3月31日、連邦官報で省令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、加工食品・非アルコール飲料の情報表示(ラベル)規格(NOM-051-SCFI/SSA1-2010、以下、NOM-051)改定の4月1日からの完全適用に際し、一部の義務を履行していない商品について5月31日までは罰則を適用しないことを定める経済省と保健省、連邦消費者保護検察庁(PROFECO)の省庁間合意を発表した。NOM-051の改定は2020年3月27日付官報で公示され、同年10月1日から保健一般法の改正に起因するカロリーや糖分などの警告表示に関してのみ施行されていた(2020年4月2日記事参照)。NOM改定の付則1条、3条、4条に基づき、2021年4月1日からその他の改定についても適用開始となるが、その中で重要な内容は以下のとおり。

  1. 加糖食品の場合、成分表示の中に砂糖を加えたことを表示
  2. 熱量計算の基準となる栄養素の追加(カロリー計算公式の変更)
  3. アレルギー物質の表示義務の強化
  4. 1つでも警告表示がある商品包装へのキャラクターや有名人などの写真・絵の表示禁止
  5. シール添付による情報表示の禁止

3月31日付経済省令で公示した省庁間合意によると、NOM-051の改定により、4月1日から義務付ける情報表示のうち、既に施行されている警告表示義務以外の内容(上記1.~3.)については、5月31日までは表示されていなくても罰則を適用しない(第1条)。4.については、キャラクターなどの表示があっても、NOM-051改定が定める警告表示やその他の表示義務を満たしている限り、5月31日までは査察当局が違反行為と判定しない。

輸入品は今後もシール添付による対応可能

5.に関しては、国産の加工食品や非アルコール飲料について、メーカーがシールによりNOM-051が定める情報表示を行ったとしても(包装に直接印刷しなくても)、5月31日までは情報表示内容に不備がなければ、査察当局が違反行為とは見なさない。また、輸入食品・非アルコール飲料の場合、NOM-051が定める情報が不備なく表示されていれば、シールの利用を引き続き認める。輸入品の場合、適用期限の記載がないため、6月以降もシールによる対応が可能と判断される。

なお、当局は、4月1日以降に適用した表示義務を満たさない商品と満たす商品が当面の間は店頭在庫として混在することを認めており(第6条)、6月以降に義務を満たさない商品が店頭に存在しても、それによって輸入業者や卸業者まで罰則を適用することはないと考えられる。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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