香港とシンガポール、5月26日から隔離なし一般渡航開始へ

(シンガポール、香港)

シンガポール発

2021年04月27日

シンガポールと香港は5月26日から、両都市の間で隔離なしで一般渡航ができる「トラベルバブル」を開始する。シンガポール民間航空庁(CAAS)の4月26日の発表によると、トラベルバブル専用の航空便を5月26日から1日片道1便(200人を上限)運航し、6月10日から同2便へと増便する。

シンガポールと香港は当初、2020年11月22日からトラベルバブルを開始する予定だった(2020年11月16日記事参照)。しかし、香港での感染再拡大を受けて、開始直前の同年11月21日に中止を決めていた。今回のトラベルバブルをあらためて開始するに当たっては、前回よりも条件を強化した。トラベルバブルを利用してシンガポールと香港間を渡航する旅行者は、渡航前にいずれかの都市に14日間連続して滞在する必要がある。また、その14日間については他の国から入国した際の隔離期間を含めることはできない。さらに、香港の在住者がトラベルバブルの枠組みで渡航する際には、新型コロナウイルスのワクチン接種14日後である必要がある。

トラベルバブルは渡航の目的に制限がない上、事前に行動計画の提出や保証人を必要としない。また、渡航前と到着時にPCR検査を受ける必要があるが、入国後に隔離する必要はない。オン・イエクン運輸相は同日、自身のフェイスブックで、「トラベルバブルは、隔離なしの渡航を実現する上でのカギとなる。ただし、そのためには両地域の市中感染をきわめて低く抑える必要がある」と述べた。取り決めでは、シンガポールまたは香港のいずれかの都市で、感染源の不明な1日当たりの市中感染者が5人を超えた場合に、トラベルバブルを停止するとしている。このほか、香港とシンガポール間のトラベルバブルを利用するに当たっての条件の詳細はCAASのウェブサイトPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。

シンガポール保健省によると、4月26日の新型コロナウイルスの新規感染者は45人(累計6万1,051人で、うち6万0,682人が回復し、死者30人)。同日の新規感染者のうち、43人が国外で感染し、隔離中に感染が確認された。残り2人は国内感染者。

(本田智津絵)

(シンガポール、香港)

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