アフリカの新型コロナウイルス累計感染者数、200万人を突破
(アフリカ)
中東アフリカ課
2020年12月01日
アフリカ大陸の新型コロナウイルスの累計感染者数が11月19日に200万人に達した(Our World in Dataによる)。1日当たりの新規感染者数は7月25日の2万650人をピークに、その後は徐々に減少していたが、10月以降は増加傾向にあり、多くの国々で第2波への危機感が高まっている。
アフリカで最も感染状況が深刻な南アフリカ共和国の累計感染者数は11月25日時点で77万2,252人を記録している。南アは1日当たりの新規感染者数は7月25日の1万3,922人をピークに大幅に減少していたが、最近は1日2,000人台と微増傾向となっており、引き続き注意が必要だ。南ア政府は個々人の責任による感染対策の徹底を求める一方で、経済活動の正常化に向けて、海外渡航制限の緩和に踏み切った(2020年11月13日記事参照)。
累計感染者数では、モロッコ(33万1,527人)、エジプト(11万3,742人)、エチオピア(10万6,591人)、チュニジア(9万213人)と続き、冬場を迎えて気温が低下している北アフリカを中心に、感染者数が右肩上がりに増加している(添付資料図1、2参照)。特にモロッコでは7月以降、新規感染者が急増しており、1日当たりの新規感染者数は11月24日時点で過去最多の6,566人となった。新型コロナウイルス感染の急拡大を受け、モロッコ政府は「衛生緊急事態」を12月10日まで延長している(2020年11月10日記事参照)。エジプトでは、6月をピークとして感染拡大が大幅に鈍化したが、11月に入り1日当たりの新規感染者数が増加傾向にある。政府は第2波到来を懸念し、公共の場でのマスク着用義務をあらためて周知した。
赤道直下のケニアでも、1日当たり新規感染者数は900~1,500人前後で推移し、感染第1波を超える拡大となっている。ケニア政府は夜間外出禁止令の期間を2021年1月3日までに延長したり、飲食店にさらなる営業時間短縮を求めたりするなど、規制を強化している(2020年11月6日記事参照)。このような状況下でホテルやレストランは大変厳しい状況にあるものの、政府が経済刺激策の一環として実施しているインフラ工事に伴うセメント消費や、現金が不要な非接触型のモバイルマネーサービスなどは活況を呈している。
(馬場安里紗)
(アフリカ)
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