チワワ州が夜間と週末の経済活動を原則禁止、自動車産業の週末操業にも影響

(メキシコ)

メキシコ発

2020年11月05日

メキシコ北部のチワワ州政府は11月4日に州官報で条例を公布し、11月5日から新たな発表があるまで、夜間と週末の経済活動を原則禁止した。月~木曜日の午後7時から翌日午前6時、金曜日の午後7時から翌週月曜日の午前6時までは、医療や市民生活に不可欠なサービスを除き、原則として全ての経済活動が停止される。ただし、製造業については、月~金曜日は夜間の操業は可能だが、土曜日と日曜日の操業はできない。

チワワ州では9月中旬以降に新型コロナウイルスの感染が再拡大し、10月26日以降は新型コロナ警戒信号の色が赤となった(2020年10月26日記事参照)。11月2日時点で、一般病床の利用率が88%、人工呼吸器付き病床の利用率は65%に達している。週末や夜間の市民の移動を制限することにより、感染を抑制するための措置だ。

規制時間帯でも操業できるのは、医療関連施設、店舗面積300平方メートル未満の街角の食料雑貨店・コンビニエンスストア(スーパーマーケットは操業不可)、基礎食糧物資の生産と配送、治安維持・防犯関連サービス、防災関連、電力・ガス・水道・通信、郵便・宅配、保険、レストラン(宅配のみ、その場の飲食のみならず持ち帰りも禁止)、ホテル、ガソリンスタンド、葬儀・埋葬、公共事業、空港・鉄道など輸送インフラ、運輸、鉱業、行政など合計18業種のみ。なお、公共交通機関についても、営業時間の規制を受け、原則として午後9時以降は営業が停止される。

ハリスコ州でも同様の規制、ただし製造業は対象外

夜間や週末の経済活動を原則禁止する措置は、メキシコ第2の都市グアダラハラ市があり、日系企業も60社程度進出するハリスコ州でも導入されている。ハリスコ州は10月28日、人口100万人当たりの新規感染者数が1週間で400人を超える見通しとなったのを受け、同州独自の規制である「緊急ボタン」を発動し、10月30日~11月13日に夜間と週末の経済活動を原則として禁止した。ただし、製造業は操業停止の対象外とされ、自動車産業の夜間シフトや週末操業に影響はない。一方、チワワ州の場合は、週末の操業が製造業でも認められないため、米国テキサス州エルパソの南に隣接する国境都市フアレス市に多い、自動車用ワイヤーハーネス製造業の週末操業にも影響が及ぶ。また、チワワ州独自の規制として、赤信号下では、自動車産業であってもフル操業時の60%の労働者までしか出勤させることができない。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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