米USTR、対中追加関税の適用除外延長を発表、リスト3で初

(米国、中国)

ニューヨーク発

2020年08月12日

米国通商代表部(USTR)は8月11日、発動済みの対中追加関税のリスト3(対中輸入額2,000億ドル相当の5,745品目)の一部について、適用除外の延長を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。リスト3では初の延長措置となる。

適用除外が延長となるのは、(1)10桁のHTSコードで示された21品目と、(2)10桁のHTSコードの中で、USTRが記載した製品詳細に適合する245品目が該当する。USTRは、リスト3のうちこれまで1~15回目に除外を承認した計992品目について、その延長の是非を問うパブリックコメントを5~7月に2回に分けて募集し(2020年5月8日記事6月4日記事参照)、今回そのうち266品目が延長となった。延長された品目は、リスト3の対象に課せられる25%の追加関税が免除となる。(2)については、同じ10桁のHTSコードに該当していても、官報記載の製品詳細に合致しない場合は適用除外とならない。

適用除外が延長される品目の2019年の対中輸入額合計(HTSコード10桁で機械的に試算)は、372億1,830万ドルに相当する。品目別には、85類(電気機器)や84類(機械類)、94類(家具類)が多い。個別品目をみると、特定の木製フレーム椅子(HTS9401.61.6011の一部)や、自動データ処理機(HS8471項)の部分品(HTS8473.30.5100の一部)、真空掃除機の一部(ロボット型のものを含む)(HTS8508.11.0000の一部)の輸入実績が大きい。

延長措置は、2020年8月7日から12月31日まで有効となる。パブコメでは、最大12カ月の延長を検討するとしていたが、今回それより短い期間の延長とした理由について、USTRは将来を含む適用除外措置の累積効果を考慮したとし、現在も除外申請を審査中と説明している。ロバート・ライトハイザーUSTR代表は6月に行われた上院財政委員会の公聴会で、産業界が適用除外の自動延長を要望しているとの議員のコメントに対し、自動延長は検討しておらず、パブコメの意見を踏まえた運用を行っている、と回答している。

延長が認められた品目については、申請者以外の輸入者が当該製品を輸入する場合も追加関税が免除される。手続きについては、税関国境保護局(CBP)が今後発表する。

なお、これまでに発表された各リストの品目別適用除外制度の概要と、各リストの適用除外対象品目の発表日および詳細は添付資料を参照。

(藪恭兵)

(米国、中国)

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