7月第2週の米新規失業保険申請件数は4カ月ぶりに増加

(米国)

ニューヨーク発

2020年07月29日

米国労働省の7月23日の発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、7月第2週(7月12~18日)の新規失業保険申請件数(季節調整値、注1)は141万6,000件となった(添付資料図参照)。前週(7月5~11日、130万7,000件)から10万9,000件増(8.3%増)となり、既往最高水準(686万7,000件、356万件増)を記録した3月第4週(3月22~28日)(2020年4月6日記事参照)以来、16週間ぶりの増加となった。なお、前週の新規失業保険申請件数は130万件(速報値)から130万7,000件に更新された。

州別(注2)の申請件数をみると、カリフォルニア州(29万2,673件)、ジョージア州(12万281件)、フロリダ州(10万5,410件)などが多かった(添付資料表参照)。前週と比較すると、カリフォルニア州(7,759件増)、ルイジアナ州(4,804件増)、ネバダ州(4,109件増)などで増加した。

米コンサルティング会社ファクト・アンド・オピニオン・エコノミクスの代表、ロバート・ブルスカ氏は、4カ月ぶりに増加した背景として「新型コロナウイルスの感染再拡大により、事業活動再開を考えていた多くの企業が再開できなくなっている」ことを指摘し、「経済の一部は回復して良くなっているが、サービス業などの重要な分野はとても痛みを感じている」と述べた(「ブルームバーグ」7月24日)。米国調査会社ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのチーフ米国エコノミスト、ルビーラ・ファルキ氏は「経済活動の閉鎖が繰り返されることのリスクは、一時的な失業が恒久的になること」であり、「これにより、回復ペースがさらに遅くなる可能性がある」と指摘した(「ロイター通信」7月23日)。

(注1)当該件数は、労働者が離職した後に初めて失業保険給付を申請した件数を、週ごとに集計したもの。毎月初めに公表される雇用統計(失業率や雇用増加数など)よりも、いち早く米国内の雇用情勢変化を捉えることができる指標として注目されている。毎週木曜日に前週分が公表される。

(注2)州別の値は非季節調整値のみが公表されている。全体の非季節調整値は、前週(151万2,763件)から14万1,816件減(9.4%減)の137万947件だった。

(権田直)

(米国)

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