カルナータカ州、第3期ロックダウン下でさらなる緩和措置発表

(インド)

ベンガルール発

2020年05月12日

カルナータカ州政府は5月2日、インド内務省による5月17日までのロックダウン再延長の通達に基づき(2020年5月8日記事参照)、同州における規制緩和措置を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。内務省の分類定義に基づき、カルナータカ州の各地区は4月30日時点で、感染状況によりレッドゾーン2地区、オレンジゾーン13地区、グリーンゾーン14地区に分類されている(注)。

レッドゾーンでは、特に深刻な感染が発生し封じ込め地区となっている地域を除き、工場やIT関係などを含む民間オフィスなどの再開は可能となったが、出勤できる社員数は全体の33%までに制限され、外出許可時間帯は、午前7時から午後7時までとなっている。また、工場を再開する前に、政府が定めた、感染予防に関する標準作業手順(SOP:Standard Operating Procedure)適合に係る自己申告の提出が必須となっている。現在、同州では一部の地域を除き、市内バス、オートリキシャやタクシーサービスは営業再開されておらず、移動は個人の車(乗客数は最大、運転手のほか2人、二輪車は1人のみ)が使用可能だ。

州都ベンガルール市はレッドゾーンに分類されているが、IT関係など一部の民間企業は既に業務を再開している。カルナータカ州商工会議所(FKCCI)によると、工場も操業再開の準備を行っているが、生産の完全再開に向け、出勤ワーカー数の上限を最低でも50%にすることや、中小企業向けの経営支援策などの措置を、州政府に要請している。また、従業員の出勤などに関わる州内の移動については、ベンガルール市中心地域、ベンガルール市郊外、同市中心部から北東に位置するコラール地域(ホンダ二輪工場などが立地)、同市中心部から南西に位置するラマナガラ地域(トヨタ工場などが立地)の中では自由だが、その他の地域との移動には、許可証が必要となっている。

オレンジゾーンやグリーンゾーンの一部では、4月24日以降、工場や小売店などが既に操業を再開している。また、グリーンゾーンでは、一部のタクシーサービスや市内バス(利用可能な乗客数は定員の50%を上限)も再開されている。

カルナータカ州政府によると、同州には約50万の工場(総ワーカー数は4,300万人)があり、このうち、現時点で約35%が操業再開しており、今後、稼働比率はさらに高まることが見込まれる。

(注)レッドゾーン:現在の感染者数、倍増レート、検査規模、監視のフィードバックを考慮の上、保健・家庭福祉省が特定する地区。オレンジゾーン:レッドゾーンにもグリーンゾーンにも属さない地区。グリーンゾーン:いまだ感染者が発生していない、もしくは過去21日間に感染者がない地区。

(遠藤壮一郎、ディーパック・アナンド)

(インド)

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