ドバイの外出禁止令が緩和

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2020年04月27日

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ政府は4月24日、24時間の外出禁止措置を緩和した。外出禁止措置は午後10時から翌朝の6時までに短縮され、それ以外の時間帯は、外出に際して許可取得が義務付けられていたオンラインでの申請も不要となる。4月4日から継続していた終日のロックダウン(4月20日記事参照)は3週間で解除されることとなった。

外出禁止措置の緩和は、断食月(ラマダン)が24日より開始されたのに歩調を合わせた格好となった。あわせて二親等までの家族の往来や、5人を超えない家族での集まりも許可される。ビジネスに関わる制限も緩やかとなっている。ショッピングモールなど商業施設や飲食店も、来客数を収容人数の30%に抑えることや来客のマスク着用などの一定の条件下で、正午から午後10時までの営業が許可される。民間企業も、全社員の30%を超えない範囲で事務所への出勤が許可され、日系企業からも安堵の声が聞こえた。休止していたドバイ・メトロも、26日から運行が一部再開された。

一方、日本の外務省は24日、UAE、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビアを感染症危険レベル3(渡航中止勧告)に指定、これで湾岸協力会議(GCC)諸国すべてがレベル3となった。同地域での新規感染者数の顕著な増加が要因とみられる。

25日の新規感染者数は、報道ベースではUAEが532人、サウジアラビアが1,197人、カタールが833人などとなっており、GCC全体では3,026人、累計数も4万2,000人を超えたとみられる。各国当局は感染者拡大について、既感染者からの接触者トレース、感染拡大が懸念される労働者集住エリアでの集中検査などの検査体制の拡充が要因であると説明しており、実際に死亡者数の累計はUAEが71人、サウジアラビアが136人、カタールが10人などであり、GCC全体でも254人と、他国・地域と比較しても低い水準で推移している。とはいえ、現在治療中の感染者が今後どのような推移をたどるかは予測できない。制限措置の緩和にかかわらず、今後も新型コロナウイルスによる影響の長期化が懸念される。

(山村千晴、田辺直紀)

(アラブ首長国連邦)

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