USMCAの発効によりカナダへの市場アクセスが改善へ、2020年外国貿易障壁報告書(カナダ編)

(米国、カナダ)

米州課

2020年04月08日

米国通商代表部(USTR)が3月31日に発表した2020年版外国貿易障壁報告書(NTE)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます では、カナダに関する記述は前年と同じ9ページだった。構成は(1)貿易概観、(2)貿易協定、(3)輸入政策、(4)貿易の技術的障壁(TBT)・衛生植物検疫(SPS)障壁、(5)政府調達、(6)知的財産権保護、(7)サービス障壁、(8)デジタル貿易の障壁、(9)投資障壁の9項目となり、今年の報告では補助金の項目が削除された。

2019年の米国の財の対カナダ貿易赤字は、前年比41.9%増の274億ドルになった。カナダは米国最大の財の輸出相手国だが、2019年の輸出額は2,924億ドルと2.4%減少する一方で、カナダからの輸入額は3,197億ドルと0.3%増加した。

今回のNTEでは、主な成果として、トランプ大統領が米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の実施法案へ署名したことを挙げた(2020年1月30日記事参照)。具体的な事例としては、カナダ政府が乳製品の供給管理制度におけるクラス6とクラス7の廃止や、米国産小麦に対する差別的な格付けを改めること、ブリティッシュ・コロンビア州における同州産以外のワインの販売方法の差別的な扱いを改めることで合意したことなどを挙げた。

一方、新たな障壁として、カナダ政府がデジタルサービス税の導入を計画していることを取り上げた。カナダ政府が米国企業を不当に標的とする一方的なデジタルサービス税を導入すれば、深刻な懸念を引き起こすことになると表明した。NTEは、総論編と各国・地域編から成る。

(中溝丘)

(米国、カナダ)

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