自動車・機械類へのカメムシ規制改定案への意見を公募
(ニュージーランド)
オークランド発
2019年04月19日
ニュージーランド一次産業省(MPI)は4月3日、現行の自動車や機械類にかかる輸入衛生基準(注)の改定案を発表した。2018年8月の改定以来の制度変更となる。同改定案へは、6月3日まで意見公募をしており、提出意見は原則、公開情報として取り扱われウェブサイトで誰でも閲覧が可能だ。同改定案は検証後、2019年9月からの「カメムシリスク」期間から運用される。
ニュージーランドに輸入される自動車や機械類は、同基準に基づき、農業害虫の除去が求められている。特にクサギカメムシが生息・活動する国として指定された国(付則3対象国)からニュージーランドへ輸入する前には、当該品の熱処理あるいはMPI承認システムでの管理などを通じて、害虫の駆除・処理を行う必要がある(2018年8月13日記事参照)。カメムシへの対応について、MPIはオーストラリア農業水資源省(DAWR)とも連携強化を進めている。
日本については、2018年2月に日本からの自動車運搬船がオークランド港に入港した際、クサギカメムシの生体が検出され、国外退去措置を受けたことを契機(2018年2月22日記事参照)に、2018年9月の「カメムシリスク」期間から付則3対象国に指定されることとなった。日本はアジアンジプシーモス(AGM、アジア型マイマイガ)などの発生国としても警戒対象になっているほか、中古車輸出の取扱量が突出していることからも特別警戒対象となっている。
害虫駆除・処理の対象国が33カ国に拡大
同基準の章構成は、1章(全般必要要件)、2章(全ての自動車、機械および部品に対するバイオセキュリティー必要要件)、3章(指定バイオセキュリティーリスクに対する追加的必要要件)、4章(付則3の国からの自動車・機械および部品に関する事項)で、付則1(定義)、付則2(バイオセキュリティー汚染と規定された有害物)、付則3(クサギカメムシ活動国)と続く。
今回の改定では、付則3の対象国が欧州を中心に18カ国増え、日本を含めて33カ国となった。中国と韓国もカメムシなどの発生国だが、付則3に含める水準ではないとしている。また、付則3対象国のみが入港前に対応すべき事項が4章に集約された。
そのほか、2章5節においてニュージーランド経由での他国への輸送荷物の取り扱い、2章6節において航空貨物の取り扱いも項目出しされたほか、3章1節ではこれまで中古機械とされた表記が「屋外あるいは対象の機械」と変更され、その定義は付則1の3部で明示されている。
(注)貿易の拡大に伴い、自動車や機械の輸入を通じて外来種の農業害虫が付着して持ち込まれることが判明し、ニュージーランド政府は2009年10月に自動車やタイヤ、機械の輸入衛生基準を発表した。それ以来、改定を重ねている。
(奥貴史)
(ニュージーランド)
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