サウジアラビアビジネスセミナー開催、日本企業の商機を解説

(サウジアラビア、日本)

中東アフリカ課、リヤド発

2019年03月25日

ジェトロは、日本とサウジアラビア両政府が協力して推進する「日・サウジ・ビジョンオフィス関連事業」の一環として、3月1日に東京で「サウジアラビアビジネスセミナー」を開催し、154人が参加した。ジェトロが2018年度に実施した調査の成果普及活動として、同国における有望分野や、諸外国のプロジェクト参入戦略などについて、同調査を行った調査会社が講演を行った。

最初にジェトロの庄秀輝リヤド事務所長が、サウジアラビアの概況と「日・サウジ・ビジョンオフィス」について紹介した。同国では「ビジョン2030」の下、インフラの民営化やエンターテインメント都市の建設など新たなビジネス機会が生まれていることや、「ビジョン2030」の実現に向けたNIDLPプロジェクトなどの説明に加え、ジェトロと各種プロジェクトの支援に当たっているビジョン・オフィスの活動内容について説明した。

ユーロモニター・インターナショナルのコンサルタントのラフル・ジャワレ氏は、同社が実施したサウジアラビア有望産業調査の成果として、エンターテインメント産業、フランチャイズ産業、医薬品産業〔調査レポート「サウジアラビアの有望産業についての投資環境・市場調査(2019年2月)」(エンターテインメント産業)(フランチャイズ産業)(医薬品産業)参照〕の3業種について、現地市場環境や外資企業の状況を説明し、同地でのビジネス可能性について解説した。また、日本企業が進出する際の具体的な方法、規制や奨励策についても示し、現地企業との戦略的な提携を提言した。

フロスト&サリバン ジャパンの代表取締役兼パートナーのロビン・アーサー・ジョフィ氏は、同社が調査実施したサウジアラビアの各種インフラ・プロジェクトにおける欧米やアジア企業の協業や提携の先行事例〔調査レポート「サウジアラビアの有望プロジェクトへの参入・協力に向けた諸外国の戦略に関する調査(2019年2月)」参照〕について分析、説明した。日本企業が同国の主要なインフラ・プロジェクトへ参入するためには、(日本政府側による)現地支援機関の設置や自国企業への財政支援がカギになることも紹介した。

質疑応答では、参加者から「GCC(湾岸協力会議)諸国でのフランチャイズビジネスの可能性について」「輸出に当たってのサウジアラビアの新検査システムの実態」など、同国への進出に関する具体的な質問が出て、活発な議論が展開された。

写真 日本企業関係者ら154人が参加(ジェトロ撮影)

日本企業関係者ら154人が参加(ジェトロ撮影)

写真 質問に答える講師。左からジャワレ氏、ジョフィ氏、庄所長(ジェトロ撮影)

質問に答える講師。左からジャワレ氏、ジョフィ氏、庄所長(ジェトロ撮影)

(庄秀輝、閔普鮮)

(サウジアラビア、日本)

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