日本からの自動車・機械輸入、9月からカメムシ検疫強化
(ニュージーランド)
オークランド発
2018年08月13日
第一次産業省(MPI)は8月9日、日本から輸入される自動車、機械類に係る新たな衛生基準を発表した。農産物輸出国のニュージーランドは、環境保護のための検疫が非常に厳格となっている。
それによると、2018年9月1日から2019年4月30日の間(カメムシリスク期間)、日本から輸入される自動車や機械は、農業害虫であるクサギカメムシの除去が求められる。具体的には、日本での薫蒸もしくは熱処理による除去(注)だが、新車・新品機械の場合は輸出業者がMPIに製造・輸送・保管経路を申請し、その有効性に関して承認を受けることも可能だ。中古ワイヤーケーブルについては12月1日から基準が適用される。
基準適用の背景には、2018年2月に日本からニュージーランド向けの複数の自動車運搬船(RORO船)からクサギカメムシが発見され、入港拒否を受けたことがある(2018年2月22日記事参照)。クサギカメムシは冬眠の際に車の隙間などに入り込むことから、通常の検査や船上での発見・除去が難しく、熱処理が有効手段とされている。米国や欧州に対しては、2014年以降カメムシに関連して自動車、機械タイヤに係る衛生基準が適用されてきたが、今回初めて日本に対して適用されることになった。
ニュージーランド統計局によると、2017年の自動車輸入台数(HS8703、新車と中古車)は31万776台で、そのうち日本からの輸入は19万4,287台と全体の63%を占め、2位のドイツ2万7,887台(9%)、3位の韓国1万9,443台(6%)を大きく引き離した。9月のカメムシリスク期間まで時間がないため、日本の輸出に与える影響が懸念される。
(注)具体的な措置はMPIウェブサイトを参照。
(奥貴史)
(ニュージーランド)
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