北朝鮮関連安保理決議違反が疑われる船舶

(米国、北朝鮮、日本、韓国)

中国北アジア課

2018年08月30日

北朝鮮関連船舶による違法な洋上での物資の積み替え(いわゆる「瀬取り」)の疑いがある事案の発生は後を絶たず(外務省ホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、米国財務省は8月21日、国連安保理決議に違反して「瀬取り」により精油製品を供給したとして、船舶6隻を米国の独自の制裁措置の対象に追加した(米国財務省プレスリリース8月21日外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

これに先立つ8月10日、韓国関税庁は北朝鮮産石炭を韓国に不正に搬入した事案に関する調査結果を発表、関与したとされる4隻に対し入港禁止措置を講じている(2018年8月22日記事参照)。

以上の動きを踏まえ、(1)「瀬取り」の疑いがあるとして日本が公表し、安保理制裁委員会に通報した船舶、(2)韓国が独自の制裁措置の対象とした船舶、(3)米国が独自の制裁措置の対象とした船舶のうち、既に特定船舶入港禁止法に基づく入港禁止措置の対象とされている船舶を除いたリストは別紙のとおり(添付資料参照)。

これらの船舶については、必ずしも日本国内で入港禁止措置が取られるものではないが、今後、安保理決議または安保理北朝鮮制裁委員会によって、制裁の対象船舶に指定される可能性がある。仮に指定された場合、日本を含む国連加盟国は、入港禁止などの措置を取ることとなる。また、安保理決議または安保理北朝鮮制裁委員会による指定がされるかどうかにかかわらず、関係国の判断により、検査・船籍登録の抹消などによって、今後、当該船舶の安定的な運航に支障を来す可能性も考えられるため、船舶の選定には十分な注意が必要だ。

(百本和弘)

(米国、北朝鮮、日本、韓国)

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